6 東京編
「えー、あっという間に、6回目を迎えました【お笑い!!quiz王】まだ、1人の正解者もいませんので、賞金が貯まり貯まって、なんと60万円です。一体、どこのどなたがゲットするんでしょうか? 気になるところです。
くどいようですが、予選なしの飛び入り参加クイズ番組ですから、とにかくどんなハプニングが生じるか、予測不可能です。今回もどんな珍解答が出るか、楽しみにしましょうね。
わたくし、司会進行を務めさせて頂きます、渡辺ヒロミと申します。よろしくお願いします」
パチパチ……(見物人の拍手)
「えー、本日は秋葉原にやって来ました。チャレンジャーは、通称、ニートさんでGOとおっしゃる、一見オタクっぽい方です。チャレンジしてくれたのが不思議なくらいの、内気な印象のお顔立ちです。では、
第1問です。十二支のことを漢字二文字で何と言う?」
「……ぇーと……」
ピンポ~ン!
「せ、せ、正解ですっ!
えーと、取り敢えず、ニートでGOさん、初ヒット、おめでとうございます」
パチパチ……(見物人の拍手)
「……ぁ、ど、どうも」
「人は見かけで判断してはいけませんね? ホント、びっくりしました。もう6万円ゲットですよ。よかったですね?」
「……ぁ、どうも」
「この不吉な予感は何? ……今日は確か仏滅。ゲッ。では、
第2問です。インド・西アジアなどで食べられている平たいパンは何?」
「……なん……だっけ……」
ピンポ~ン!
パチパチ……(見物人の拍手)
「ガビ~ン! またまた正解ですっ! ナン。そのとおりです。スゴいですね? 2問続けて正解です。世の中、何が起こるか分かりませんね? 次、
第3問です。刀剣などの、手で握る部分を何と言う?」
「……っかぁ、……難しい」
ピンポ~ン!
パチパチ……(見物人の拍手)
「ドヒャーっ! またまた大正解ですっ!
第4問です。自分の職分を越えて他人の権限内に立ち入ることを何と言う?」
「えっ? そぅ……だな……うむ……」
ピンポ~ン!
パチパチ……(見物人の拍手)
「ギャビーン! またまた正解っ!
第5問です。
「そうだ……なぁ……」
ピンポ~ン!
パチパチ……(見物人の拍手)
「
「……うむ……なんて言うか……どうも」
「自分でも信じられないと言った様子です。さて、この調子で正解を続けるのでしょうか? 目が離せません。UYO!
第6問です。終わり、限り、一番端のところを意味する言葉は何?」
「……はて……なんだろう」
ピンポ~ン!
パチパチ……(見物人の拍手)
「正解っ! 果てです。この分じゃ、正解も果てしなく続きそうです。くぅぅ……神様っ。次は、わカルメ~ン?
第7問です。共に一つのことをするときに、相互の調子や気持ちが一致することを何の呼吸と言う?」
「あ……うーん……」
ピンポ~ン!
パチパチ……(見物人の拍手)
「デターっ! またまた正解ですっ!
第8問です。年鑑・年報のことを英語で、何ブック?」
「……ぃゃぁ……ムズい」
ピンポ~ン!
パチパチ……(見物人の拍手)
「
第9問です。承知・不承知にかかわらず、無理矢理に事をなす意味。何を言わせず?」
「……うむ……」
ピン、……ポ~~~ン!
パチパチ……(見物人の拍手)
「
第10問です。男性に付ける敬称を英語で何?」
「……さぁ……」
ピンポ~ン! ピンポ~ン! ピンポ~ン!
パチパチ……(見物人の拍手)
「もう、やけくそです。
パチパチ……(見物人の拍手)
「あ、どうも」
「感想を一言」
「……なんか、独り言を言っていたら、なんか、正解してたみたいな」
「またまた、そんなご謙遜を。全問正解者が出たと言うことで、【お笑い!!quiz王】でした。それでは、次回がもし、万が一、仮にあったらお会いしましょう。では、さようなら」
パチパチ……(見物人の拍手)
「スポンサー、怒ってるだろうな……。次回もスポンサーになってくれればいいけど、断られたら新しいスポンサー探すしか……。冷奴ちゃんに少し分けてやりたかったなぁ」
「スポンサー、現れますかね?」(ADの声)
「うむ……さぁなぁ……っぅかぁ……そうだなぁ……あっ! ね? ちょっと待って。答えは全部、何かを考えるときの口癖じゃない? うむ……とか、さあ……とか」
「……あっ! 確かにっ」(ADの声)
「チッ、やられた。答えは長い言葉にすればよかった」
「ヒロミちゃん。ここにサインして」(ボールペンを差し出して、自分のハゲ頭に指を置くおやじ)
「トホホ……若い男のファンはいないの?」
―OK!―
お笑い!!quiz王 紫 李鳥 @shiritori
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
カクヨム☆ダイアリー/紫 李鳥
★15 エッセイ・ノンフィクション 連載中 14話
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます