愛を伝える手段です!!

@9632kinako

第1話

放課後生徒会のメンバーと会話をしている。

正直男ばかりでむさ苦しい。

こんな建設的でない話をするくらいなら我が愛しの婚約者を愛でたいところだけども。めんどくさい。それにあの子の悪口を言うなんて生きている意味なんじゃないか?

こいつら。いてこますぞおら。

そんな内心をおくびにも見せずに穏やかに笑みを浮かべておく。


「え?知ってるよ?」

「は。」

「我が婚約者がソフィア嬢にとてもレディーとは思えない幼稚な悪戯をしていることを。」

「じゃあ何で止めないんだよ!」


なぜ止める必要が?だってあれも嫌がらせを利用したいだけだろう?


「女が近づいて来たから焦ってやった嫌がらせがあんな馬鹿なことなんて可愛いじゃないか。」


ぽかんと口を開いた間抜け面を見てやれやれと首を振る。


「…お前何を言ってるんだ。」

「うちの子は恥ずかしがり屋で好きとも言えないんだ。好意を持たれていることは知っていたが、寂しかった。でもあんな方法で愛を伝えてくれるとは。」


思わず恍惚としてしまう。彼女があんな愛の伝え方をしてくれるなんて…!


「ソフィアが可哀想じゃないか!」

「婚約者がいる男に近づいてくるんだ。想定内だろう。嫌がらせを受けるなんて当たり前じゃないか。」

「え。」

「婦人の世界は煌びやかに見えて裏での戦いがある。男の私たちが介入するなんて無粋だろう。犯罪行為に走るならまだしも、嫌味を言ったり、水を掛けたり、可愛いものじゃないか。まあもっと上手くやればいいとも思うけどね。」


もっと上手くやれる子だけど必死に空回ってるところが愛しいよ。



ソフィアなんとかっていう令嬢が最近周囲の男に粉をかけているらしい。それも爵位が高く、将来有望な人ばかりに。婚約者がいようが御構いなし。そんなの見たら分かるじゃないか悪女だって。俺の周りもうろちょろしだしたけど全く興味はなかった。だって邪魔にもならないのだから。


俺の近くにいるあれに焦って、泣きそうになりながらあれに牽制をかける姿は可愛かった。何度俺の部屋に連れ込もうと思ったかしれない。ちょっとスパイスくらいに思っていた。



でも、俺の可愛い婚約者を泣かせたとあっては黙ってはいられないな。


覚悟はできているよね、なんとかさん?





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