彼岸花エトセトラ
北風 嵐
第1話
彼岸花の写真がよくアップされている。その写真の中に白い花があった。
花に疎い私は白色や黄色もあると知ってびっくり。
赤い花なら/曼珠沙華/オランダ屋敷に/雨が降る ・・別名を「まんじゅしゃげ」という。それで検索してみた。法華経などの仏典に由来し、「天上の花」という意味を持つとあった。サンスクリット語 majūṣakaの音写である。...
よく知られている、死人花(しびとばな)、地獄花とは全く反対ではないか。これらの名前は田舎では墓地によく咲いているところから来ている。「彼岸花を摘んだら手が腐る」と大人に教えられたものだ。何故かは聞かなかった。ともかくあの怪しげな赤さと相まって好きの部類には入らない花だった。
水田の畦や墓地に多く見られる。人為的に植えられたものが自生したと考えられている。その目的は、畦の場合はネズミ、虫など田を荒らす動物がその鱗茎の毒を嫌って避けるように、墓地の場合は土葬後、死体が動物によって掘り荒されるのを防ぐためとされる。〈アルカイド〉という毒を持つ毒性植物なのである。それで「手が腐る」と教えられたのだ。
山口百恵の「曼珠沙華」は知っていたが、北原白秋の詩に「曼珠沙華」があるとは知らなかった。白秋の詩はかなり読んだ積りだったが。これが山田耕作の曲で歌になっているという。
GONSHAN. GONSYAN. 何処へ行く
赤い、御墓の曼珠沙華(ひがんばな)、
曼珠沙華(ひがんばな)、
けふも手折りに来たわいな。
GONSHAN. GONSYAN.
何本か。
地には七本、血のやうに、
血のやうに、
ちゃうど、あの児の年の数。
GONSHAN. GONSYAN. 気をつけな。
ひとつ摘んでも、日は真昼、
日は真昼、
ひとつあとからまたひらく。
GONSHAN. GONSYAN.
何故(なし)泣くろ。
何時まで取っても、曼珠沙華(ひがんばな)、
曼珠沙華(ひがんばな)、
恐(こは)や赤しや、まだ七つ
「GONSHAN」とは白秋の生地のことばで良家のお嬢さんのことを指す。この歌は乳母が自分の育てたお嬢さんに歌いかけるものなのである。気になるセリフがひとつ。GONSHANに語りかけるのに、何故「この子」ではなく「あの子」なのか?あの子とは乳母のなんなのか?
https://www.youtube.com/watch?v=5f7Bc82Y2FU
北原白秋はこの「曼珠沙華」の花が大嫌いだった。自殺した親友の遺骸が深紅の血を流し、戸板にのせられて曼珠沙華の畑の中を去っていった光景が忘れられなかったからだという。
相思華(花)という名前もあるという。これは韓国由来らしい。名はこの植物の特殊な成長の様子から来てる。この植物は花が咲くときには葉が出ておらず、葉が出る頃には花が散ってしまうという不思議な植物なのです。
それで花は葉を思い、葉は花を思う。お互い一緒になれない「悲願花」なのです。
花言葉は花の色によってそれぞれにあるらしいです。赤の花言葉は「情熱」。白い花の花言葉は「想うはあなた一人」、ロマンチック!
曼珠沙華という字はすべて仏教と関連する漢字を宛てています。
「曼」は「曼荼羅(まんだら)」。「珠」は「数珠」。「沙」は「沙羅双樹」。「華」は、蓮の華。有難いお言葉満載の花なのです。お彼岸には墓参り!きっとご利益!タイガース日本シリーズ、こちらは叶わぬ「悲願花」!
彼岸花エトセトラ 北風 嵐 @masaru2355
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