百合依存者による百合学概論、百合学~初心者から上級者まで。百合を深く楽しむ為に~

阿賀沢 隼尾

百合学概論 第一回 「百合とは何か」、「百合をみんなで楽しむために」

 皆さんは、GL(Girls love)というのをご存知であろうか。

 俗に言う百合のことである。


 今回、私が論ずるのは三次元世界のレズビアンに関する話ではない。

 二次元の百合について――――私の百合愛と百合に対する情熱を伝えることが出来たらと思う。


 なお、この『百合学概論』は数回に亘って話をするつもりである。

(つまり、筆者のネタが尽きるまで話す)


 その間、百合初心者の方にも、上級者の方にも満足していただけるようなお話が出来ればと思う。

 本講義を読んで百合に目覚めて(信仰者が増えて)頂ければ、筆者としてこれ以上嬉しいことは無い。


 では、早速百合について話をしていこう。


 また、繰り返しになるが、百合とは、GL(Girls love)の俗語である。

 言ってみれば、女性の同性愛者の事である(本文では、以降「百合」と統一する)。


 女性の同性愛者の事であるから、片想いでも良いのである。

 両想いでももちろん良いが、片想い、両想いそれぞれの良さがある。


 また、一言に百合と言っても多種多様。

 それこそ、『萌え』と同じで、それこそ人の数だけ百合の嗜好はある。


 そこで、ここでは百合の一部のジャンルを紹介しよう。

 以降の講義でもそれぞれのジャンルの良さ、見どころを紹介したいと思う(以下に述べられなかったジャンルも時間の許す限り紹介していくつもりだ。何か紹介して欲しいジャンルがあれば、感想か、私のツイッターのDMで是非教えていただきたいと思う)。


 学園百合、社会人百合、吸血鬼百合、大人百合、歳の差百合、JK百合、JC百合、JS百合等々――――。


 ここで切ってしまったら色々と誤解を生みそうだが……。

 まぁ、良いだろう。

 以上のように、一言に百合と言っても多種多様なのだ。

 それこそ、薔薇(【Boys Love】略して、BL)や普通の恋愛と大差変わりない。


 そこで、百合をみんなで楽しく観賞する為に、読者のみなさまに気を付けて欲しい点が幾つかある。


 1.百合を見ている人たちは、決して、彼女達を性的な視点で見ているわけではないこと。


 これは、二次元なら多くのことに通じることだと思う。

 確かに、そういう目で見ている人も少なからずいるかもしれないが、それは圧倒的少数派である(アイドル関係で言えば、ストーカーをする人と同じくらいであろう。それくらい少ないという事である)。

 そのような狂信的で熱狂的な人がいるのは決して否定できない。

 が、それが全てでは無いのだ。


 メディアで取り上げられることは『珍しいこと』なのである。

 連続殺人や事故等々(実際に統計を取ってみないと分からないが)。

 彼らはネタになるからそれを情報として流すのだ。


 人はネガティブな情報に目が行きやすく、それを全体に捉えてしまいがちだ。

 しかし、そこで思考を停止してはならない。

 一度、疑ってみるのだ。

「それは本当か?」と。

 人は楽な方へ楽な方へと行きやすい。

 だから、自らの意思でブレーキをかける必要があるのだ


 が、それはバイアスがかかっている。

 人は、情報に惑わされやすい。


 だから、自分で元ネタを見る。

 情報を疑い、実際に自分の目で見るという事を常に意識をしておかなければならない。


 それは、様々な偏見を減らす基礎となる。

 なので、この心構えは本講義のみならず、あらゆる日常場面で意識しておいて欲しいことである。


 2.どんな百合でも批判しない。

 繰り返しになってしまうが、一言で百合と言っても、それは人の数だけあると言っても過言では無い。

 趣味嗜好は人それぞれ異なるのは当たり前なのだ。

 それを批判したところでどうなる?


 争いが生まれるだけだ。

 我々はそれを何度繰り返してきた?


 批判と論争は違うのだ。

 批判は人の心を傷つけ、知的生産は何も生まず、その作品の良さを無駄にし、イメージダウンしてしまう。

 自分の感情、プライド、執着心を優先させるからそうなるのだ。

 百害あって一利なしだ。


 対して、論争は異なる。

 その考えに対して、一歩引いて分析し、その考えはどこから来るのか。

 何の要素を含むのか。

 なぜそのような思考に彼はなるのか。

 と、感情を切り離して自らの理性で分析、判断し、合理的かつ論理的に相手の意見と自分の意見を戦わせる。


 そうすることで、お互いの考え(理論)と考え(理論)を組み合わせ、戦わせることでより高尚な理論に辿り着くことが出来る。

 いわば、『知の格闘技』である。

 それを、ディベートと言うが。

 日本人が苦手とするものである。


 論争なら良い。

 より良い百合論が出来上がるのだから。

 百合の文化が成長するのなら、百合依存者にとってこれ以上嬉しいことは無いのではなかろうか。


 いずれにしても、百合には色んな百合がある。

 それにはそれぞれの魅力がある。

 だから、われわれはそれぞれの百合シチュの良さを見つけていく努力が必要なのではなかろうか。


 今の百合にだけ萌えていて本当に良いのか?

 もっと沢山の百合に萌えてみたくはないのか?

 視野を広く。

 それらの百合の特徴を捉えることが出来れば、私たちの新しい扉は開けるだろう。


 以上が百合を楽しむ上での注意事項だ。

 これらの考えは、芸術鑑賞や様々な趣味にも役に立つと思う。


 が、本講義は百合の講義である。

 楽しむか楽しめないかは本人次第だ。


 百合は一つの趣味である。

 趣味は人の人生を楽しませてくれる。


 ガンプラ、エアガン、ガーデン、数学、生物、文学、登山、キャンプ、野球、手芸、百合、薔薇等々。


 趣味は楽しむためにある。

 それが出来れば、十分ではなかろうか。


 みんなで百合について楽しくきゃっきゃっうふふ語り合うことができれば私は大満足なのである。

 その為に、この百合について私が考えていることを。

『百合世界』を色んな視点で読者の皆さんと冒険してみようと思う。

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