悪役令嬢、一世一代の晴れ舞台

散々主人公を痛めつけ邪魔し続けていた悪役令嬢。その報いをメインキャラクターたちが集う前で受け、絶望に晒される。確かに「主人公」の立場なら、胸がスカッとする光景かもしれません。でも、それが悪役令嬢の役割を課された者の立場なら……?

完全に追い詰められ、今更立場を改める事は不可能。土壇場の中で彼女が取ったのはまさに「悪役」、それも全てを根底からひっくり返すほどの大悪党にぴったりの行動。そんなとんでもない爪痕を残した彼女を待つ運命は……。

痛快さと虚しさ、悲しさ、そして爽快さが読後に残る、まさに悪役令嬢による一世一代の晴れ舞台たる作品です。