第5話 ごめんなさい

その日から学校に行かなくなって私は相変わらず悩むばっかりで健康だったら普通だったらそんなことばかり。

考えても仕方のない事だけど、脳裏にこびりついて離れない。


ただ普通に幸せに暮らしたい。些細な願い。


悩みすぎて心がすっかり病んでしまった。冬の日のこと初めて自殺を試みた。首吊りだった。


申し訳なかった。

全てに対して。

本当に、申し訳なかった。

私さえいなければそう思った。


その日のことを思い出すと、手紙にお母さんお父さん生まれてきて悲しませてばかりでごめんなさい。

と書いたと思う。


本当は生きていたいけれどこれ以上は迷惑をかけるだろうし、何よりも自分が辛い。

怖くて怖くて仕方ないけどこれから生きていく怖さに比べれば死ぬ事の方がマシだった。


恐る恐る首を掛けた。

じわじわと絞まる感覚が怖かった。

ゆっくりと視界が曇る感じがした。

このまま死ぬんだと思った。

沢山の涙が溢れた。

ガンガンする頭が痛かった。

気付けば私は首に掛けた縄を解いていた。

ドアノブなんかじゃ死ねないやと怖い、生きたいと強く思った。


そんな自分が情けなくてより一層落ち込んだ。


死ぬ勇気もないんだと惨めだった。



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23年間の記録 紗凪 @sana10

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