50枚目 最後の張り紙—エピローグ—
あんなに悲しい別れがあったのに、またここへ来てしまったな——。
男は一面張り紙で埋め尽くされたロビーにいた。
どの張り紙も面白そうだ。
異世界でコツコツやる物作りには興味がある。冒険者になるのも気分が変わって良さそうだ。
男は人差し指で1枚1枚確認しながら進む。
でも——。
あんなにドキドキした日常を過ごしたのは現実世界のファンタジーだったからだろうか?
ワガママな彼女と過ごした時間を思うと、どの張り紙も色褪せて見える。
(俺も異世界は卒業かなぁ…)
ふと、男の指先が止まった。
「あ!これは…」
◇探し人『
姿形が変わっても、会えばきっと君とわかるだろう。
第6世界で待つ。
◇◇◇◇◇
「これ、『伯爵』の…」
その張り紙を手に取ろうとした瞬間、後ろから伸びてきたしなやかな手が先に張り紙をはがした。
「ごめんねー!この張り紙は無効になったの。探し人が見つかって…」
その声に驚いて、男は勢いよく振り返った。
そこには彼の知っている「彼女」では無かったが、間違いなく「彼女」がいた。
「エリちゃん…?」
見た目は栗色の長い髪を切りそろえた、目元の涼やかな美少女が管理局の制服を着て立っていた。少女も驚いた顔をしている。
「あ、『おっさん』じゃん。元気だった?」
「何で…生きてるなら、生きてると…」
少女は笑った。笑うと面影がある。
「あの局長がさ、ウチの魂と身体を転生させたんだって。局員不足だからってさ。あ、コレ生前の姿だからね」
『おっさん』は思わず彼女を抱きしめた。彼女の右拳を喰らうかと思ったが、それは飛んで来なかった。
代わりに嬉しそうな声。
「また会えたね!」
異世界への転移
又は転生者の募集の張り紙・完
あとがき
最後までお読みいただきありがとうございます。
拙い文章、および小説と呼んで良いのか曖昧な文章でお恥ずかしい限りです。
でも、皆様のおかげで楽しく創作できました。何をおいても、読んでくださる方々の存在が励みになります。
レビューを書いて下さった皆様ありがとうございました。感激です!
★レビューに下さった皆様、とても嬉しかったです。
コメント下さった皆様、励みにして頑張れました。
何より読んで下さった皆様のおかげで完結までたどり着きました。読んで頂きありがとうございました。
皆様に感謝を込めて!
異世界への転移又は転生者の募集張り紙 青樹春夜(あおきはるや:旧halhal- @halhal-02
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