第一章
第1話 はじまり
──『
そう……それがこれから新たな学園生活へと旅立ち、
様々な美少女たちと出会い……
時に笑い、時に悲しみ……甘く充実した青春の日々を過ごす者の名だ。
幼い頃から恋焦がれ続けた、物語に登場する『
聖エレメンティア学園の存在を知ったその日から、
俺はその人との出会いを誓い、今日まで努力を重ねてきた。
そして今日、それがようやく現実のものとなる日がやってきたのだ!
「ヒロ、そろそろ時間じゃないか?」
そう声を掛けてきたのは父の
世界を旅する考古学者で、各地で変なものを集めては家に持ち帰ってくる……
いつもは国外にいるのだが、母の七回忌のために、丁度日本に戻ってきていた。
「ああ、わかってる」
「忘れ物はないだろうな?しばらく帰ってこれないんだろう?」
親にとって、子はいつまでも子ということだろうか。
もう18にもなったというのに、この過保護っぷりである。
「大丈夫だって。それよりもこっちもしばらく空き家になるんだ、
父さんも出る時にちゃんと戸締まりしておけよ」
気恥ずかしさを隠すように、やや嫌味ったらしく物を言う。
「ははは!その調子なら向こうでも大丈夫そうだな。
……っと、そうだヒロ。これ持ってけ」
そう言って父が手渡してきたのは
チェーンで繋がれた指輪と小さな鍵だった。
「……なにこれ?」
「ちょっとしたお守りみたいなもんさ。
鍵の方はエンジェリカさんに会ったら聞いてみなさい」
エンジェリカさんはこれから向かう聖エレメンティア学園の理事長をしている人だ。
両親とは古い知り合いらしく、何かと面倒を見てくれた恩人でもある。
「ふーん……わかった。
……んじゃ、俺はそろそろ行くよ」
「おう、気をつけてな」
俺は手で返事を送った後、重いキャリーケースを引きずりながら、家を出た。
こちらの学園に、美少女の方はいらっしゃいますか? えるなるな @elnaluna
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。こちらの学園に、美少女の方はいらっしゃいますか?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます