第8話 後書き

 拙い作品をお読みいただき、ありがとうございました。


 ドローンを船から飛ばすというのは良くあるネタだと思うのですが、ありふれた漁船から低速の複葉機を発進させる、という点。

 また、テロによる被害は直接的なそれよりも、混乱と対策コストの発生という経済的な影響の方が大きいことから、「だったら人間殺す必要無くね? その方が実行簡単だし」という点を考察してみました。


 テロとは、その名の通り恐怖を与えることによって自己の意志を強要させる政治的手段の一種。本質的には、現実に発生した被害の多寡はあまり問題にならない。むしろハッタリによる脅しの恐怖を使用した方が効率的なので、それを突き詰めた戦略を選ぶ集団がいずれ出てくるだろうなぁ、と。


 そしてもう一点考えたかったのは。

 欧米を主体として自由主義を賛美し、社会と技術の発展には「個人の自由を拡大させ続けること」がベストの選択であると信じる人々が少なくありません。


 しかし、それは本当なのでしょうか。

 地球という環境は有限で。

 個人が成せることの範囲はどんどん拡大している。


 超人の例えが荒唐無稽だとは思っていません。

 ある日、ちょっとしたアイディアを思いついてそれを商品化し、何億ドルもの収入を得る可能性は誰にでもある。

 それはある日魔法の扉を開けてスーパーパワーを得る、あるいはトラックにはねられチート能力を得て転成する、それらと大差ない経験でしょう。


 大金を所持する彼らは、十分に世界を破滅させるだけの力を持っているように思えます。

 そして彼らほどのカネを所有していない人々だって、知力とアイディア、現代のテクノロジーをもってすれば相当に大きなことが出来る。


 個人が社会や国家に監視・管理されることにより発生するリスクと、個人を制約しないことにより発生するリスク。そのどちらが大きいのか。

 監視カメラの是非などからその議論は出発し。

 やがてその潮流が、この社会を少しずつ変化させて行くような気がします。


 なお、筆者は神戸に行ったことがありません。

 誰が聞いても「ああ」と理解できそうだったので、六甲颪というキーワードを使わせて貰っただけです。


 また、このドローンは多分飛行できないでしょう。

 推力が足りないか、自重と風の抵抗を支えきれずに折れるか、航続距離が足りないか、エンジンの振動を吸収出来ずに分解するか。そのどれか。あるいは全部。

 ああ、勿論。全て素人の計算ですけど。


 では最後にもう一度。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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Task Force Of OSAKA Bay ~大阪湾機動部隊~ 有木 としもと @Arigirisu

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