カード・トリック2(金塊密輸)

@stdnt

第1話

カードの山から好きな枚数だけ、カードを取って積んでもらいます。

取ったカードの枚数が予測できないのにも関わらず、

取ったカードを4つの山に分けていくと、どの山も、一番上がA(エース)になります。

それは最初に、カードの山の一番上の4枚をA(エース)にしていたから。


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ある貿易会社は、メキシコで仕入れたトウモロコシを、

フィリピン経由で日本に輸送していた。

数百台のトラックを船に乗せての輸送だ。

トラックは会社のものだが、運転手は日雇いの人間だ。

各国での出入国審査の手間がないように、運転手は国ごとに別の日雇いに代わっていく。

運転手はトラックのナンバーを見ることはなく、運転席に貼ってある目的地の紙を見て、自分に合ったトラックを選択する。

(もちろんトラックのナンバー登録・管理は会社で行っているが。)


この流通システムを悪用した金塊密輸が横行していた。

送る側と受け取る側に面識はなく、

かといってトラックに特別な印等は見受けられなかった。


メキシコの港にて。

その日は、船の出航を見計らったかのように、4台のトラックが滑り込んできた。

トラックは船首の入口から入り、数百台のトラック列の先頭に収まった。


フィリピンの港にて。

数百台のトラックは、今度は東京行きの船に乗り換える。

フィリピンの新たな運転手たちによって、

トラックはこれまた船首から収納されていく。

メキシコの運転手たちは、フィリピンに入国することなく、同じ船でメキシコに帰ってゆく。


東京の港にて。

船は東京の港についた。

今度は日本の運転手たちが、トラックを船から降ろす。

運転席に貼ってある目的地は、九州・四国・大阪・北海道の4つだ。

数百台のトラックは、4つの目的地に向けた4つのレーンにバックで縦列駐車していく。

駐車が完了すると、それぞれの目的地に向かって出発し始めた。


密輸組織の4人は、それぞれの目的地の先頭車両の運転手となって、目的地を目指す。

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