エル国立美術館に飾られた名画『時の女王―カーミュ・デ・コーメニ』の前に、深夜あらわれる少女の霊が、観たものを石にしてしまう。という噂が流れた。
偉大なる女王の死から三百年が経過したマスハの街に、シャクヤとクランデーロとイネイを伴い、アスコラクがやってきた。
名画の前に佇み、シャクヤは思う。「私は、この絵に会うためにここまでやってきた」のだと。けれども、今回のアスコラクの標的は――
◇
「首狩り天使アスコラク」のシリーズ三作目です。前作『アスコラクー聖痕の娼婦』の続編にあたりますが、この作品単体でも理解できるように書かれています。
前作をお読みになった方は不思議に思われるでしょう。何故、アスコラクの標的が◯◯◯◯なのか? 美術館で起きる事件とともに、ミステリー調の展開に引き込まれます。
クランデーロとリョート、イネイとアスコラク、ジェイコとアブマンの関係にも注目です。
端正な切れのよい文体でつづられるダークファンタジー。ご堪能下さい。
[アスコラクー時の女王]、アスコラクシリーズの続編です。
アスコラクは、首を狩ることで相手を救済します。首を狩られた者は、首狩り天使の仲間となり、天使と共に歩みます。
数千年の時が流れても……。
ただ、常にアスコラクの味方とは限りません。天使に救われたあとも、自由な心と思いを持ち続けているから。
アスコラクの旅は続きます。悪魔と戦い、仲間とも争い……そして、首を狩る。
最高のパートナーである、イネイはどんなことがあっても、アスの傍にいるでしょう。姿形が変わっても……。
イネイの再登場は最高です。やっぱり、アスとイネイはいいですね。これからが楽しみで仕方ありません❗
皆様、首狩り天使の旅をぜひ一読してみて下さい。