乗り合わせた乗客たちの行く先は

ベルトルト・ヴォルツェの絵画「迷惑な紳士」を元に書かれた歴史短編です。

元の作品が描かれた19世紀後半ヨーロッパの複雑な状況を巧みに織り込んだ展開です。

男主人公がヒロインに渡すメモの内容、列車を降りた彼女のその後、そして語り手を含む登場人物たちの運命など敢えて全てを明らかにしない書き方に奥行きを感じます。