水瓶と龍

使っている言葉の一つ一つ、意味や響きが美しい。
それからテーマが「浮く」のでどんなものかと気になって読んでみたところ、水や呼吸とつながっていて綺麗だと感じました。

私がこれまで読んできた文章の中で、一番透明で美しいものだったと思います。
メチャメチャ好きです！

静かで美しくて神々しい。
そんな印象を受けました。

水瓶という本来であれば限られた世界の中で『私』が見ているのは現実なのか、不思議な夢なのか。そもそも水瓶の中に座る『私』とは。
短いですが想像が膨らみ、読んでいる『私』が見る龍の姿が浮かんできます。

こういう読み手の想像力を掻き立てながら、独自の世界観を表現している作品が個人的に大好きです。
しばらく目を閉じて黙想していたような読了感でした。