第37話 あとがき&カクヨム書下ろし短編

読了ありがとうございました。『同じ 鍵を 持っている3』に続きます。3は延長戦、三人の恋の決着編です。さくらが運命の相手を選びます。


このあと、カクヨムオリジナル『類くんの独白』を用意しています。


***


カクヨム編『同じ 鍵を 持っている2』完結記念



「類くんの独白」


 ようやく「引き分け」に持ち込めた。ぼくとしては人生初の大苦戦。

 ひとりの女に、これほど手こずったことはなかった。


 さくらに。さくらに、振り回されるなんて!

 ちょっと甘い声で誘えば、すぐに落とせると思ったのに。

 なんか、むかつくよね。経験浅いさくらのくせに難攻不落とか。ないよ。

 でも、その面倒くさい性格が逆に新鮮で、燃えたりもする。やっぱ、惚れてんだなぼく。

 玲にどきどきするのはやめてほしい。てか、ヤメロ? さくらって、ばか正直だから、考えていることが丸見えなんだ。


 はー。玲と女を奪い合うなんて、考えたこともなかった。ぼくだって、不本意。一応兄なんだし、そんなことしたくない。


 けど、さくらは世界にひとりしかいない。

 さくらを自分だけのものしたい。ぜんぶ、ほしい。ほかのやつに笑いかけてほしくない。ぼくだけを見てほしい。「類くん」って言われたい。中をかきまわして、乱して、めちゃくちゃにしたい。


 だから、ぼくはぶつかる。覚悟は、いいよね?



このあと、『同じ 鍵で 待っている3』延長戦、京都秋冬編です。引き続き、よろしくお願いします。

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同じ 鍵を 持っている 2 fujimiya(藤宮彩貴) @fujimiya

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