何よりも魂が籠もった贋作
- ★★★ Excellent!!!
売れない画家の視点で描かれる、絵画を巡るヒューマンドラマ作品です。
主人公はいつの日かと成功の瞬間を待ちわびながら、青空市で今日も売れ残る作品にため息をついていました。
しかし、いつもとは異なり、自分の絵の前で立ち止まる人影が一つ。幼さの残るその少女は、主人公の絵を絶賛するばかりか驚くほどの高値で買い取ってくれました。
けれど青年は、幼女から金をむしり取るほど落ちぶれていないとばかりに、彼女を追いかけます。
まさかその行動が、人生を二転三転させる行いであると気付かずに。
絵画に込められた思い、人間の欲望、狂気にオカルト。まさに絵画を主題に置いた小説にふさわしい内容となっています。
ぜひ読んでみてください。