女神に守られる世界が崩壊した時、女神と人々を繋ぐ神声者たちも力を失ってしまう。世界は闇に包まれ、人々の幸せを踏みにじろうとする者が暗躍する。そのような状況で、神声者である少女と、彼女にかつて救われた少年が再会し、恐ろしい力から世界を取り戻そうとします。詩のように美しいことばで綴られた壮大な物語にとても感動しました。
古代の王と女神との契約が秘跡として生き、神声者と呼ばれる女神の代理人の祈りの元、人々が安寧を享受し穏やかに過ごす世界。だがある日安寧は崩れ落ち、蹂躙されて、変化する。女神の力が奪われて他のものに置き換わっていく世界、神と人との契約である神智の結晶を受け取った少女の苦難の道行と人の残酷さと温かさ。なぜ世界の崩壊は起こったのか、秘された想いと、重くつらい話ですが、それ以上に美しく、想いの乗った、人々が世界で息づく読みでのある話でした。素晴らしい話を拝見させていただきありがとうございました。
綺麗な情景から始まり、崩壊で第一章は終わります。そこまで読んだらもう一度最初から読み直すと…最初の印象とはまた違ったお話が見えて来ます。世界を崩壊へと導く"何か"すらもまたもう1つの何処か物悲しい側面を持っているような。世界観の別面を見る事が出来るでしょう。
女神に祝福された国で起こる悲劇と、そこから始まる少女の再生を描いた王道のファンタジー作品。神の声を使って願いを形にする「神声術」や、神声者たちが受け継いできた「神話」など、独特の世界観が丁寧に作り込まれていると感じました。孤独になったパティアが想いを胸に立ち上がり、どのように世界を変えていくのか、期待が膨らみます♪
物語の冒頭では、永く続いてきた穏やかな世界が闇の力により崩壊してしまう……そんな様子を美しくも残酷に描いています。「神声者」などをはじめとする神話的な世界観の設定も綿密で、同時に多くの謎をはらんでおり、まさに王道のハイファンタジーといえます。また、とても丁寧な文体から、物語世界の情景が自然と目に浮かびます。とくに人物の内面描写が詩的で美しく作者様のこだわりを感じます。ファンタジー好きの方、神話に興味のある方にぜひお勧めしたい作品です!!
第一話から文章が綺麗で、だけどすんなりと頭の中に入ってくる作品でした。 ダークファンタジーですが何処か希望があり、終わりまで楽しく読むことができました。 ただ…難点を挙げるとするならば面白くて今の私のように眠れなくなって、次へ次へと読み進めてしまう点です! とても面白い、オススメしたい! と思える作品でした! ダークファンタジー好きや単行本などにある重厚な作品が見たい人はぜひ見に来てね!
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(77文字)
女神アルディーナと、その代行者たる神声者に護られた世界の物語古の約定により安寧に包まれた世界は、しかし突如として現れた巨大な闇により変わり果ててしまい、そこから真の物語が始まっていきます全体的に人物のやり取りや描写が細やかで丁寧で、特に心理面はしっかりめ神声者を初めとした世界観に基づく設定が練られており、多くの謎を含む独自のルールも魅力的です登場人物も多すぎず少なすぎず、追いやすいのもポイントこれから本格的にお話が動きだすところなので、オススメさせていただきます!