第94話 世界の終わり

地球上の生物の進化の中で


人と言う種が誕生した


霊長類


傲慢にも、自らを動物の首長たるものと呼ぶ


その名の通り特別な存在となった




文明を生み出し


医療の技術は高まり


車、飛行機、鉄道


短時間で世界中を行き来できる


電子機器の性能は飛躍的に向上し


インターネットの普及で世界中の情報を


誰でも簡単に手に入るようになった


それでも、人は論理ではなく感情や欲望で動く




喜び、悲しみ、怒り、嫉妬、恐怖


金銭欲、所有欲、性欲、支配欲


犯罪、差別、暴動、テロに戦争


地球は確かに『七賢者』によって支配されていた


しかし実際に動いていたのは人自身


人は『七賢者』の支配から逃れても


その感情や欲望の赴くままに


破滅の道を歩んでいくだろう




「世界終末時計では世界の終りまで残り2分となってるけど」


「僕が行ったシミュレーションでは」


「気候変動や小惑星の衝突・疫病・人口の増加などが原因で」


「今から98年の間に人類は滅亡するよ」


「異星人の侵略を防げなければ、確実に10年後」


魔王シュウタロウは断言した


そして、それは間違いなく実現するだろう


「僕たちがいなければだけどね」




破滅を食い止め


より良い世界を作るために必要なもの


人々を導く指導者


そして、世界中のどのような組織にも対抗可能な力


生半可な力では更なる争いが起こるだけだ


故に圧倒的な力が必要だ


それを前にした時


抵抗する気さえ失うような絶対的な力が


『秘密結社 ユグドラシル』にはその力がある


その力をもって彼らは


自ら破滅に向おうとする世界をを終わらせる


そして希望に満ちた新しい世界に変えていく




もはや秘密結社とは言い難い露出度の


彼らによって


まずエネルギー革命が起こる


既存の発電設備はすべて廃棄され


世界各国に設置された


世界樹が生み出す魔力を動力とする


魔導ジェネレーターに取って代わられた


核分裂を無効化する魔道具が発動し


世界の原子力発電所はすべては色を余儀なくされ


戦争の抑止力であると正当化された核兵器は


ゴミと化した




次に食糧問題


荒廃した土地や砂漠は


世界樹の力で肥沃な土地に変わり


食物の栽培が可能になった


自給自足が出来るまで当面は


今まで廃棄されていた食料を亜空間に保存し


転移門によって


食糧不足に苦しむ国々に瞬時に運ばれる事になった




犯罪、紛争、戦争問題


中には『秘密結社 ユグドラシル』に反抗する勢力もあった


そのほとんどは


何処からともなく現れる


魔導兵たちによって鎮圧されたが




環境問題、労働問題、貧富の差、さまざまな差別


世界中にはまだまだ解決すべき問題が山積みだが


次々にショウタロウによって解決法が生み出されていった


それを実行する『手段』も異世界からもたらされる




そして更なる力の象徴が異世界から降臨する


それは、世界樹の傍に現れた巨大な魔法陣から出現した


全高50メートルを超える威容


現存する兵器などでは傷ひとつつかない


それを頼もしそうに見上げる


『秘密結社 ユグドラシル』の面々




それは


『今までの世界の終わりをもたらす存在』


『生まれ変わりゆく世界を救う存在』


300年の歳月をかけて製造された超弩級魔導兵


『魔導巨神』


ひとたび動き出せば


世界中の反抗勢力を一瞬で沈黙させた




この無敵の巨神が創造された本当の目的


それは異世界からの侵略に対抗する事であった



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最強生物 ゴブリン ゴブリン三等兵 @Saikyouseibutu-Goblin

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