第26話 緊急クエスト
ベヒモスの発見報告はすぐにされ、フーデルの街のギルドから緊急クエストと言われる強制参加のクエストが発動された。
強制クエストはその名の通り、冒険者の資格を持ってる者は絶対参加のクエストだ。
これに参加しないと、資格剥奪となり、二度と資格を取る事ができない。
なので強制だ。
そしてフーデルの門は常に開かれ、すぐに情報を得られるようにしてある。
そしてピズはある噂を聞いた。
それは普段は大人しいベヒモスが起こった理由は「北の国の勇者」とかなんとか。
そんな噂を聞いたので手当たり次第に情報をかき集めた。
そして今、闇場の情報屋まで来ている。
「北の勇者とベヒモスの関係に知りたい」
お互いに深くフードを被り、質問と対価の勝負が始まった。
「対価は?」
「銀狼の目だ」
実は街を出て2日目に倒したウルフが子供の銀狼だったらしく、少数の個体で素材も良い。
そんな物が舞い込んでいた。
気が付いたのは街について【亜空間収納】を整理してた時だ。
「金は?」
「50,000メルだ」
「いいだろう」
よかった。
これ以上要求されていたら生活のお金を削減しないといけないところだった。
でもこれで情報は一応得られる筈だ。嘘じゃなかったら。
「そんじゃ、勇者からだ。
勇者が先月の何日かに生贄による大魔法で召喚された。その召喚された勇者の名前は知らんが、「ニホン」と言うらしい国から来たそうだ、その勇者はとても強いらしい、そして北の国がこう言った。「ベヒモスが邪魔だから討伐してこい」ってな、実際はもっとオブラートに包んだのだろうが、いかせんわかっておらん。
そして勇者が、ベヒモスの生息地のところにカチコミに行ったらしい。そんで取り残したのが1匹いたそうだ。そいつが今暴れまわってるやつだ。」
なるほど、北の国が魔法使って強いやつを呼び出して、そいつが暴れまわったってことか。
「なるほど、これが対価だ」
袋に入った対価を見て互いに右手を持ち上げて、闇場の挨拶をして別れた。
今まではなかった濃い内容がわかった。
そして今まで集めた内容をあわせるとほとんど一致する。
良い情報を買った。
ピズはスラム街から抜け出し、書庫場に行った。
♢
書庫場は本がたくさん置いてあるところである。
昔からの文献や、研究書など、様々な昔のことを知るには十分過ぎる場所だ。
ベヒモスが街の近くにいることもあっていつもなら閉まっているAランク以上部屋にも入る事ができた。
Aランク以上部屋はAランク以上の冒険者しか入ることのできない部屋のことだ。
この部屋には強力な魔物の情報がたんまり入っている。
そしてピズが手にしたのは、埃を被った分厚い一冊の本だった。
「あったこれだ、題名は『魔獣と勇者』だな」
『魔獣と勇者』は親と一緒に過ごしていた頃の記憶の中で覚えている言葉だった。
内容はざっくり言うとベヒモスと勇者が戦う話だ。
そして最後のページには、ある事が書かれていた。
コレヲヨンダモノニタクス、イツシカコノセカイニワザワイトヒカリガアラワレル
ケシテジブンヲワスレルナケシテミヲヒソメルナケシテヒカリヲシンジルナ
トキガクルソノヒマデノコルコトヲ
と書かれている。
実際はこの本と全く字が違い、なんの文字かもわからなかった。
だが、いつの記憶か、いつの声か、全く読めない文を目で辿ると記憶の中の女性の声が脳内に響き渡った。
スキルを育てて5年間やっと化けてくれました! 運蓮 @unren
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