最終話 これから
少年の横には、彼女がいる。
少年の目の前では、男と少女が手を繋いで歩いている。
少年たち四人は遊園地に来ていた。
いわゆる、混合デートというやつだ。
発案者は彼女。少女と一緒に企んでいたそうだ。
「ん? どうしたの?」
一人立ち止まり、ぼんやりと呆けている少年の顔を、心配そうに覗き込む。
「いや、なんでもない」
少年が彼女の頭を撫でた。
彼女がふにゃっと笑う。
「おーい、なにやってんだ早く行くぞ」
男と少女がこちらを振り返っている。
手はしっかりと繋いでいた。
「今行く」
少年は、彼女の手を離さないよう、しっかりと手を繋いだ。
永遠に幸せ、とはいかないが、少なくとも少年は、少年たちは、幸せだと言えた。
少年は、今は、幸せだ。
狂喜 桜咲つな @ssktuna
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