自慰行為で食う飯は美味い

虹山虹彦

第1話 24時間オナニーオバケ

自慰行為で食う飯は美味い」


自慰行為で、生計を立てている。

至って必死に生きています。


自慰行為でご飯を食べ、

高いスキンケアで老いを食い止める

男ウケのいい服を纏い、

金を出して男性に会ってもらう

セックスに至るが満足できない


自慰行為で稼いだお金で

アダルトショップに赴く。

繰り返す自慰行為。



夕方に目覚め

身支度をして

PCの前でオナニーショー。

自分の快楽のままにやっても男性は満足させられない。

一応オナニーにもマニュアルがあるのだ。

よって刺激も快楽もない。



ストレスが溜まる。

イライラして休憩中にオナニー。


オナニーの安売り。

帰宅してもオナニー。

仕事行きたくないストレスでオナニー。



休日は男とセックス。

コミュニケーション下手な奴はセックスもうまくいかない。

イライラしてオナニー。




そう、これが私の日常。

世間では「アダルトチャットレディ」と言うらしい。


24時間オナニーオバケ。


かっこいい肩書きができた。



好きな事を仕事にしたいと思っていた。

学生時代や幼少期にやっていた事を仕事にする人がいる


昔は何が好きだったかな?

得意科目もなかったし

勉強も運動もダメだったので、特技を生かした仕事にはつけないと思っていた。



10代の頃、いじめられていて

田舎暮らしで娯楽もなく

ゲームや漫画も禁止な家だったので

寂しくて毎日毎日オナニーしていた。



…あ

昔から続けていた事が商売になっている。



オナニーのあとは寂し過ぎて泣いていた。

何あの絶望感。


文字通りじゃん。

自分を慰める行為。



自慰行為は暗いイメージ。


だけど自慰行為のおかげで

私は生きていられる。



「風俗で働けばいいじゃん」

て言われるかもしれない。


高齢処女だった私には

風俗では働けなかった。


「旦那の…が入らない」

て本を見かけた。


切な過ぎて

読めなかった。



お客さんでも

セックスもできないから

自慰行為しかない人っている。


エロを生きがいにしてる人っている。


自殺を救うのは

親より友達や恋人より

エロなのかなと本気で思っている。



私は仕事関係者を

ズブやんと呼んでいる。


野坂昭之の「エロ事師たち」からだ。


PCの照明をセットしたり

男性を興奮させるセリフを入力したり

必死に私を売り出す。


必死なズブやん達は愛くるしい。




今日も自慰行為で稼いだお金で

コンビニのパンを貪って寝る。




「自慰行為で食う飯は美味い」



いや、普通です。



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自慰行為で食う飯は美味い 虹山虹彦 @nijihiko16g

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