第13話 堕天使ライト

 ビユンっ


 シュパっ


 嫌な音を立てて飛んできた赤紫の光線をライトが金色の棒で弾いた。


「これならどう?」


 今度は人差し指を指揮棒のように振って、指から光線が10個くらい飛んできた。


 それもライトは棒1本で大きく振り払って全てかき消してみせた。


「むーっ!」


「どうした? まさかさっきので決めるつもりだったのか?」


「ち、ちがうもんっ!」


「ならどんどんかかって来いよ。まぁ全部いなすけどな」


「ちょうしにのるなっ!」


 シャロウはライトの挑発に乗ってさらに光線を飛ばしてきた。


 って、これ本格的に危ないんじゃ……。


「ちょっとライト!」


「何だ?」


「こんなに攻撃されて平気なの!?」


「攻撃の方は平気だが……そろそろ崩れそうだな」


「崩れるって、建物が?」


「あぁ、そろそろ出るぞ。ミントは扉を開けろ、この攻撃を受けて開けやすくなっているハズだ。ルルアは冬を運べ」


「わかった!」


「わかりました」


 ルルアさんが冬ちゃんの肩を持ち、私は光線をたくさん受けてボロボロになった扉を開けて脱出した。


「あーっ! にがさないんだから」


「お前の相手は俺だろ」


 建物の中でライトとシャロウが戦っている音が聞こえてくる。


 ドドドドドド……


「建物が崩れそう! ミントちゃん、この子を安全な場所に運んだらライト様を助けに行っていい?」


「いいですよ」


「ありがとう……あの辺なら安全かな?」


「ですね。行きましょう!」


 冬ちゃんを担いでいるルルアさんに合わせて早歩きで向かった。


 建物の破片が落ちてこなさそうな安全な場所に着いたのでルルアさんは冬ちゃんをコンクリートの上に座らせる体制にさせようとゆっくり下ろした。


 私は冬ちゃんが倒れないようにルルアさんと同じように肩を持った。

 

「気を付けてくださいね」


「ええ、もちろん!」


 ルルアさんは羽を大きく広げて急いで崩れそうな館へライトを助けに向かった。

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悪魔になんかなりたくないっ!②【悪魔達の連休】 初夢なすび @hatuyumenasubi

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