第31羽 闇の中に光る星たち?

 ムーンナイト帝国を旅立った日の夜。


 魔物避けのお香を焚く。

 魔物避けのお香なんて焚いたら、イースターさんたちが嫌がるのではと思われるかもしれないが、心配ご無用!魔物避けのお香は、☆印の方向にしか香りが行かないのだ!


 夜ご飯に川魚の串丸焼きを食べました。お腹が一杯になったので夜空を眺めています。

 食べてすぐ寝たら太るとか、牛になるとか言わないでね!


 キャンプなんて虫も多いし、後片付けとか大変そうで、家族旅行でもキャンプは「いや!」って、言ってた僕を殴りたい。


 でも、いざ異世界でやってみると、これがまた楽しいんだよね。


 焚き火は暖かいし、みんなで食材を取るのも楽しいし、そして何よりこの夜空が魅力的すぐる。


 人工物による光が無いからこそ、見ることのできる夜空。何時もは少ししか見えない星たちも、夜空一面に見える。


 この星空を見てると、自分が本当にちっぽけな存在に思えて来る。


 そして日本いや地球から、こっちの異世界に来て思うことは、この世に機械なんて必要ないのではないのだろうか?いや、全部が要らないとは言わないが、最低限でいいのだ。と、思う。


 流れ星が落ちる。


「あ、流れ星!」


「え!どこ?!」


 黒兎は見えなかったようだ。


「きゅう?」


「流れ星?」


「パァーながれぼしってなぁ〜にぃ?」


「流れ星ってのはね……」


 宇宙の小さなチリが惑星に入ってくると、大気のまさつで燃えてかがやいてるのが流れ星とか、流れ星は、いつあらわれるかわからないタイプと、毎年決まった時期にたくさんあらわれる流星群がある。


 なんてこんな説明を子供ソニカは求めていないのだろう。だから僕はオブラートに包んだ。


「流れ星ってのはね、お星様が落ちて来てるんだよ。それでね、流れ星が消えるまでに、3回願いを言うと、その願いが叶うって、昔から言われてるんだよ」


「えΣ੧(❛□❛✿)?ねがいがかなうのぉー!ならおねがいすりゅーーー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」


 ふんす、ふんすと目を輝かせながら、夜空を見つめる娘。なんと可愛らしいことか……


 そんな時だった、流れ星が沢山落ちて来た。


「わぁーーー、絶景やんな!」


「きゅう」


 黒兎が何かを願っている、何を願っているのだろうか?


「んまぁ、んまぁ、んまぁ」


 ソニカが言ってる、んまぁとは、美味しいご飯のことである。うちの娘はどこまで大きくなる気のなのか?今でさえこんなに大きいのに、まぁ、そんなところが可愛らしいんだけど。


 ちゃんと僕がセーブさせないと、太っちゃうからね。病気になっちゃうかもしれないし、ウサギって糖尿病とかになったりするのかな……大丈夫!ソニカはイースター譲りだからね!さて、僕も願いことをするとしよう。


(家族が幸せになれますように、家族が幸せになれますように、家族が)


 あ、やっぱり全部言い切れなかった。なら、短くして。


(幸せ、幸せ、幸せ)


「もうそろそろ寝よっか」


「きゅぴぃzZ」


 イースターさんは、もう夢の中みたいだ。


「んまぁんまぁ、パァー……もっと…(●´ω`●)」


 この娘はもう、夢の中でまでご飯を食べてるみたいだ。


「ふぁ〜あたいも寝るやんねぇ〜ふぁ〜おやすみぃ〜zZ」


 白辰の姿に戻って、卵型のベッドに潜り込んで行った。


「僕も寝るけど、黒兎は寝ないの?」


「私はもう少し夜空を見てから寝る」


「じゃあ〜おやすみぃーーー」


「おやすみぃ」


 そういえば黒兎は、昔から星が好きだったなぁ〜

 僕はイースターさんのもふもふもちもちな、お腹を枕に夢の世界に誘われるのであった。


 黒兎の悩み①〜警戒心の無さ〜


「もう本当にこの家族は、イースターさんがいたり、お香を焚いてるからって、なんでこんなに魔物の住まう森の中で、こんなにぐっすり寝れるのだろうか?こんなところで寝れるのは、ドラ○もんのの○たくらいだよ!」


 仕方ないから私が周りを警戒しながら寝るよ。

 これ結構疲れるんだからね。感謝してよね!


「黒霧発動」


 黒兎の下半身が黒い霧へと変わり、彼らを包み込むように広がる。この霧に何か体温のあるものが触れば、頭に警報が鳴り響くシステムになっている。


「これで安心して寝れる」


 黒兎は、ソニカの横で背をくっ付けるようにして、眠りにつくのであった。

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魔物界最強妻(ウサギ)と自称最弱夫(男の娘)の、もふっと世界ぶらり新婚旅行 ねこみみかん @nekomimikan

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