この手記を目にした瞬間、私は椅子から転げ落ち、腰を強く打ち付けた。
まさか「カィザマニャラフ」について、これほど真正面から切り込む人間がいたとは、全く思いもよらなかったからだ。
それほどの衝撃だった。
しかも、それがあの『空手バカ異世界』を執筆している輝井氏だというのだから、スタンドも月までぶっ飛ぶ衝撃である。
なぜなら氏は己の地位や名声、あるいは立場を投げ捨てる覚悟だからだ。
「カィザンマニャラフ」に触れるということは、つまりはそういう事なのだ。
たしかにこの問題については、いつか誰かが触れなければならないことだったことは間違いない。
しかし大した地位もなく小心者の私には、これに触れる勇気が無かった。
氏には尊敬と畏怖の念を抱くばかりである。
せめて私は、この手記が行き着く先、氏がたどり着いた結末を最後まで見届けることをここに誓い、この言葉で締めくくろうと思う。
空手を信じろ。