桜吹雪に鋼鉄の楔

作者 蔵沢・リビングデッド・秋

45

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★★★ Excellent!!!

『第一級命令』──

それが、男の子と一人の女の子との〝ことの始まり〟でした……。

〝自分〟を見て欲しかった女の子は、男の子にいいました。
「良かったです。生きていてくれて── ……お帰りなさい」

〝自分〟の死に場所が欲しかった男の子は、泣いている自分を見つけます。
傷だらけになった身体で、疲れた体で、〝戻るべき場所〟に帰ってきて……。


だからこれは二人の『物語』です。

血と硝煙と白い雪に彩られた〝鋼の世界〟の果てで二人が辿った〝楔〟のお話し……。


あの日みた桜の舞いのように、醒めてしまったしまった夢の話。
二人が永遠に忘れないだろう『物語』──




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色彩を感じる描写と登場人物の心象表現が、とても見応えのある作品です。
主人公とヒロインの、それぞれの再生と贖罪の物語の中に、重厚な戦いのシーンと硬派なドラマが展開していきます。

苦しみながら成長していく過程を読む、そういうスタイルの読者にお薦めです。

★★★ Excellent!!!

重厚な世界観が絶えず纏う闇。
此処は多種が混在する非情の果てだ。

戦地に冷たい安らぎを求め彷徨う影は或る日、一つの命令を受諾する。
『皇女を護衛し戦線を離脱せよ』と。

唯一の秩序、安寧足る”死”が支配する荒廃した世界で鋼鉄の鴉は慟哭する。
彼が喪ったのは一体何か?
そして、彼は何を得るのだろうか?

血の飛沫と硝煙が空を彩り、鉄錆の薫りが風に運ばれ立ち昇る。
未だ闇を知らぬ桜吹雪は絢爛に。
華の白刃よ因果を断ちて、銃弾は楔と成りて彼の”運命”を縫い止めよ。

闇の先へ、己が罪に足掻いて進め———

★★★ Excellent!!!


主人公『駿河鋼也』が一兵士として属する帝国の姫『藤宮桜花』を連れて逃げる所から、物語は始まります。

三勢力の三つ巴の戦争中、周りは全て敵だらけ……油断すれば即死の状況下、初めは絶望的な距離感の二人ですが、いく先々で出逢う人々と深く関わることで徐々に打ち解けていきます。

世界観も相当作り込まれていますが、やはり特筆すべきは鳥肌が立つ様な、揺れる感情の描写力でしょう。何度もグッときます。

情景描写も素晴らしく、機械油や火薬、血の匂い等、戦場の匂いが文章から漂ってくるようで、こういう雰囲気が好きな方なら一度読めばズルズルと引き込まれてしまう事間違いなし、です。

しかし、ミリタリー色が強いのは苦手という方も居られるかもしれませんが、そこには巧みにファンタジー世界が融合されており、とてもバランスよく描かれています。必見ですよ。

作者の「好き」が詰まった傑作です。是非。


銃撃戦×パワードスーツ×剣戟×姫と騎士

どれか心に刺さった方は、読んでみることをオススメします。ちなみに自分は全て刺さりましたw