無常の地に死に場所を求める鉄《くろがね》の騎士は、姫の笑顔に安息を得る


主人公『駿河鋼也』が一兵士として属する帝国の姫『藤宮桜花』を連れて逃げる所から、物語は始まります。

三勢力の三つ巴の戦争中、周りは全て敵だらけ……油断すれば即死の状況下、初めは絶望的な距離感の二人ですが、いく先々で出逢う人々と深く関わることで徐々に打ち解けていきます。

世界観も相当作り込まれていますが、やはり特筆すべきは鳥肌が立つ様な、揺れる感情の描写力でしょう。何度もグッときます。

情景描写も素晴らしく、機械油や火薬、血の匂い等、戦場の匂いが文章から漂ってくるようで、こういう雰囲気が好きな方なら一度読めばズルズルと引き込まれてしまう事間違いなし、です。

しかし、ミリタリー色が強いのは苦手という方も居られるかもしれませんが、そこには巧みにファンタジー世界が融合されており、とてもバランスよく描かれています。必見ですよ。

作者の「好き」が詰まった傑作です。是非。


銃撃戦×パワードスーツ×剣戟×姫と騎士

どれか心に刺さった方は、読んでみることをオススメします。ちなみに自分は全て刺さりましたw