2曲目 偽りの愚者と穢れた記憶(仮)
プロローグ
屋上の鍵が何者かによって壊された。
一見すると壊れているようには見えないように巧妙に壊されているらしい。
そういう噂はすぐに生徒の間には広まるけれど、教師にはなかなか伝わらないものだ。なにせ教師に伝わってしまえば、教師の手によってすぐに新しい鍵が取り付けられてしまうからだ。
誰しも屋上に上ってみたいという願望くらいある年頃だ。滅多にいけない屋上に行ける機会をわざわざ自分からつぶす生徒は少ない。教師に教えても何のメリットもないのだ。
このタイミングで、鍵が開いていて屋上に行けてしまうなんて、運命というものはとことん悪戯をするのが好きらしい。
普段は閉鎖されているはずの屋上で、フェンス越しに、一人の少女を見ていた。
既にあたりは暗くなり始めており、空は茜色に染まっていた。
「死ぬなんてダメ」
僕ら以外誰もいない屋上に、叫びにも似た悲痛な声が響いていた。
ボーカロイドは歌姫の夢を見る 真野光太郎 @mano_kotaro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ボーカロイドは歌姫の夢を見るの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます