第7話 ガッツポーズ


『もうすぐで村に着くわい。というか、お主らもう服がボロボロじゃて。まずは、服を買いに行こうかの。』


そういえば、ここ何日も同じ服を着ているな。訓練でズタボロになってるし。てか、サヤは服を半分以上スライムに溶かされてずっと俺のダボダボの服着てるな。可愛いけど。


『今までに倒した魔物の核を売れば、それなりにお金になるじゃろ。ほれ、村に着いたわい。後、今着ている服は目立つからこのローブを羽織るといい。』


ポポロ村に到着。

名前通りいたって普通の村だ。農業を中心に皆生計を立てている感じだろう。まずは、防具屋にいこうか。


『ワシはちょっと依頼主と話をしてくるから、適当に時間を潰しといてくれるかの?』


ロゼンと別れて、サヤと二人きりになる。なんかちょっと緊張するな。


『まずは、防具でも見に行こうか?』


『はい!行きましょう!』


なんかデートっぽくないか?マズイ、ドキドキシテキタ…!


『お、おお!着いたぞい、サヤよ。』


なぜかオッサンぽくなっているのは過緊張しているせいだろう。


首を傾げているサヤを連れて防具屋へ入る。


『いらっしゃい!あら、若い新婚さんかね?奥さん可愛いわね!』


『違いますよー…、ちょっと防具見せてもらってもいいですか?』


恥ずか嬉しい気持ちを押し殺して、必死に平然を装う。気前のよさそうなおばさんだ。


『そうねー、ポポロ村の名産といえばこの丁寧に仕立てられた布の服がおススメね!とっても薄く作られて、着心地抜群よ!ただし、防御力は…』


『買った!!これをサヤに着せてあげてください!』


『い、いいのかい?攻撃から身を守る効果はほとんどないんだよ?』


『いいんです!!』


よく分からない俺の勢いにおばさんとサヤは困惑している様子だったが、着替え室へ入っていった。


(薄ければ、薄いほどいい!その分、素の感触に近づくというもの…!)


着替え室での会話が聞こえてくる…


『あら、サヤちゃん着痩せするタイプ?こりゃ、異性には堪らん代物だよ。しかも、綺麗で形も良い。』


『ちょっと、やめてください…!』


『あら〜、お尻も大きくて、元気な赤ちゃん産めるわね!』


『もう、おばさんったら!』


…心の中でガッツポーズをした!


着替えが終わったみたいで、サヤが着替え室から出てく…る⁉︎



まあ、なんということでしょう…



…可愛い過ぎる。



綺麗な紅色のローブが腰位置まで伸びている!中には純白のワンピース!しかも両サイドに切れ目が入っており、サイドから生足が拝めるスタイル!黒いベルトでアクセントを付けつつ、赤と白を基調としたハイニーソ!

素晴らしい!素晴らし過ぎる!!


『どうだい?若造!惚れちまうだろ?』


おばさんはニヤリと笑った。


(これは見惚れるわ…)


完敗したとばかりに、骨抜きになっている俺を見て、防具屋のおばさんは上機嫌になった。


『この辺りでは、レッドファングが良く獲れるから、上質な紅色の服が作れるんだ。覚えとくといいよ。』


『カズくんどうかな?』


『似合ってるよ、すっごく!』


サヤは満遍の笑みを浮かべた。


…やっぱ、可愛いわ。


顔を手で覆い、赤らんでいる顔を隠すのがやっとだった。




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異世界転生を夢見る理由は私利私欲でしかない! @takezo827

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