第51話 山へ行く コーヒーを飲む 石を割る 時を超える

 清々しい空気と、一杯のコーヒー

 紅葉で目を休めながら読む、一冊の本

 せせらぎと、鳥の声

 再び、みたび、いくたびも

 訪れたくなる場所、奥越



 ……観光地ポエム(自作)とともに、こんにちは。


 紅葉狩りがてら、本を買いに行ってきました。


 電車を乗り継いでの旅は、車内でご当地駅弁を頬張ったり、ホームでご当地駅そばをすすったり、ご当地土産の郷土の味覚を電車に揺られながらお茶請けにしたりと、つい食旅になってしまいます。


 今回の目的地は、越美北線の終着駅、九頭竜湖駅で開催される九頭竜紅葉まつり。

 九頭竜湖では、駅の窓口で、絵葉書風な到着証明書を発行してもらいました。


 紅葉狩りには、ほんの少し早かったのですが、朝はうっすらとした気配しかなかった木々が、午後にはほんのり染まり始めて、時間とともに紅葉が進んでいくというのを目の当たりにして、奥越の自然のマジックに目を見張りました。


 祭り会場は、各種イベントや郷土の味覚満載で奥越の秋祭りを堪能しました。


 会場では、村の歴史の本を祭り会場価格で入手できました。

 分厚いです。

 本が分厚くて重いというだけで、うれしくなります。

 通販をしていない資料というのは、まだまだあるんですよね。

 じっくり楽しもうと思います。

 

 会場には、大野市のカフェも出店していました。

 ていねいに淹れられた、サードウェーブコーヒー。

 そのままでも美味しいのですが、外で飲むと、コーヒーと一緒に山の空気の清々しさが口の中に入ってくるので、屋内で飲むのとはまた違った味わいになります。

 椅子とテーブルをセットして、コーヒー片手に、日がな一日、読書したくなりました。


 

 このお祭りの特色の一つとして、化石発掘体験があります。

 全天候型発掘施設が出来ていました。

 

 さて、化石。

 これが、なかなか見つかりません。

 見つかっているのかもしれないのですが、「あ、アンモナイトだ、巻貝だ、恐竜の足跡だ」といった博物館に展示されているような見た目をしていないので、素人目にはわからないのです。


 炭化した黒っぽい粒や線が、植物の化石だったりするのです。

 光にかざして角度を変えて何度も見て、ようやくそうなのかな、とわかってきます。

 そうやって見つけることを知らないと、黒い点も線もただの傷かほこりにしか見えません。

 もちろん、わかりやすいものが見つかることもありますが、概ねそんな感じです。


 でも、それがいいんです!


 その一かけらが生きていた時代を思うと、なまじ全容が目の前にないだけに、想像が広がります。


 時を超えます。



 そういえば、帰りの電車の車窓から、なんと、熊を見ました。

 それも、子熊です。

 車掌さんの「あ、あれ、あれ、そうじゃねか」との声に、目をこらすと、線路の縁から脇の森へと、さっと黒い毛の塊のような獣が入っていくのが見えました。

 降りる時に車掌さんに、「熊、出たんですよね」とききましたら、「ああ、あれは、子熊だなぁ」と返事がありました。

 

 帰宅後、越前大野と隣接している福井県勝山市の民家の庭に、熊の親子が籠城しているというニュースを知りました。

 昼間は柿の木に登って柿を食べて、夜になると隣りの杉の木に登って眠っているとのことでした。

 もしかしたら、あの子熊はこの親子とつながりがあるのかもしれないなと、ちょっと思ったりしました。


 奥越の熊の話をご紹介。

『奥越奇譚拾遺』

「ツキノワ」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884526082/episodes/1177354054884783631

 


 最後に、10月31日はハロウィンですね。

 ということで、奥越穴馬のカボチャと黒猫の話をご紹介。


『奥越奇譚拾遺』

「なんきんの花と黒猫」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884526082/episodes/1177354054885330980








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