第50話 読書休暇と神饌菓子

 〆切作業案件で根を詰めてましたら、ふらふらしてきたので、祝日ということもあり、本日は作業を休むことにしました。


 読書休暇は、『十二国記』の新作に当てました。

 読書だけしてるわけにはいかなかったので、「白銀の墟 玄の月」の一しか読めませんでした。

 が、二も読みたくて仕方ありません。

 にしても、読みやすいですね、漢字が沢山なのに、さすがプロの文章です。

 

 即位礼正殿の儀の番組を視聴してましたら、神饌について解説がされていました。

 再現された神饌を眺めてましたら、琵琶湖、湖国の祭りオコナイのことが思い浮かんできました。


 オコナイは、寒い冬を越え春を迎えるに当たって、五穀豊穣、村落の安全を願って祈りを捧げる祭り行事です。

 湖国――滋賀県の琵琶湖周辺のそれぞれの地域によって、神社だったり寺だったりが中心になって行われてきました。

 

 LIXILギャラリーがINAXギャラリーだった時に、「オコナイ 湖国・祭りのかたち」展が開催されまして、その時のミュージアムブックが手元にあります。


『オコナイ──湖国・祭りのかたち』

 著者 中島誠一 上田洋平 原田信男

 監修 中島誠一

 発行 INAX出版


 この本で神饌の写真を見た時、その迫力ある大きさの「御鏡」(餅)に、圧倒されました。

 人間のサイズじゃないな、と。

 

 それから、「めすし」。

 団子状にした酒粕でボテジャコ(タナゴ)を生き埋めにするという慈悲も何もあったもんじゃない生贄のような神饌。

 

 神饌菓子の「銀葉」。

 これは、米粉と馬尾藻ほんだわらといりごまを水で混ぜて蒸して薄い板状にして、幅二センチ、長さ八センチの長方形に切って、互い違いに重ねて六角形状に積んでいって、紙縒りで縛り上げたものです。


 篠竹に干し柿や搗栗を刺したもの。


 野菜や果物、小鯛。

 御神酒は酒でなくこうじ

 おきょう(おこわ)をもりもりに盛り上げたもの、団子衣は蒸し小豆をまぶした団子。

 まがりぶと、これは、唐菓子のぶと+まがりのことのようです。


 神饌に捧げる「神々しい餅」のつくり方も、本に掲載されています。

 その通りにやってもやらなくても、手早く心を込めて搗けば、美味しいお餅になりそうですが、こうしたもってまわった手間ひまをかける中で、つくり手の気持ちが集中して注ぎ込まれて、不思議な美味しいパワーが宿るのかもしれません。


 寺社仏閣の祈願儀式って、興味深いですね。


 最後に、神饌菓子について書いた自作品のエピソードを紹介させていただきます。


『あやかし冥菓見本帖』

第二十九話 郷土資料館分館館長と神饌菓子

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884556736/episodes/1177354054884955990


 奈良時代に伝えられた十四種の果餅の一つ、神饌菓「餢飳(ぶと)」の写真を、twitterに掲載してありますので、ご興味がおありでしたご覧ください。


 


 




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