第52話 秋の恵みの山里ごはん

 秋の山と里の恵みは、ほくほくしてます。

 

 まず、里芋。

 奥越前の福井県大野市では、市の東側に位置する上庄地区の土で育ったおいもが、抜群においしいとしてブランド化されています。

 つるんとした白い肌で、食べるとおいもならではのほくほく感もあって、とても美味しいのです。


 大野では、里芋の皮をむかずに、たわしでこそげるように洗って薄皮を残しておきます。

 昔は、芋洗い水車を使っていました。

 大野駅前広場の一角に、水路と芋洗い水車が作られています。

 こうして薄皮を残したものを洗い芋と言います。

 薄皮が残っているので、煮くずれしないのです。

 さらに上庄地区のものは、小ぶりで身がしまっているので、いっそう煮くずれしません。


 ゆであがりにお塩をちょんとつけていただく、ひと口め。

 秋にお目見えする、はまな味噌をつけていただく、ふた口め。

 はまな味噌は、福井ならではの、ごはんのおかわり必須のおかず味噌です。

 しその実、塩漬けなすなどが入っている、ほんのり甘い糀みそです。

 お味噌屋さんやお醤油さんの店頭にはまな味噌が並び出すと、秋の到来です。

 そろそろ紅葉の季節です。


 奥越の旅では、里芋のコロッケをいただきました。

 お肉の味に負けないしっかりとしたおいものコロッケでした。

 しょうゆとおだしの精進汁もの、のっぺい汁も里芋がメインです。

 

 それから、こうぼ。

 こうぼは、じゃがいものことです。

 だしとおしょうゆの煮しめは、ほくっとおいもの端がこぼれて、あったかみのある美味しさです。

 こうぼについては、こちら↓で由来等ご覧いただけます。


『奥越奇譚拾遺』

「お盆ふるまい」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884526082/episodes/1177354054886704163



 そして、ごはんにして美味しいほっくほっくは、むかご。

 むかごごはんは、シンプルに塩だけ加えて炊いて、炊きあがりに日本酒をひとふり。

 秋の野山が口の中に広がります。


 むかごで、もう一皿。

 ドライカレー。

 軽く炒ったむかごを、スパイスを効かせたドライカレーに混ぜ込みます。

 むかごの苦みがいい感じです。

 むかごごはんに、ドライカレーをかけてもいいかもしれません。


 さて、甘いほっくほく、焼いもの季節も、じき到来です。

  

 秋の恵みの山里ごはん。

 山の恵み、里の恵み、人の手で皿を成して、いただきます。

 

 

PS むかごのドライカレーの写真をツイッターにあげておきます。

   よろしかったらご覧ください。


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る