不器用だ。とても不器用な恋の物語だ。そのガジェットが無ければそれは到底恋などと呼べるはずもなく……。ガジェットの創作段階で、確信していたのだろうか。事の顛末、タイムリミットなどと言うものを、意識していただろうか。人生とは、恋愛とは、往々にして儘ならないものである。「素直」でない彼女らには一段と難しい問題である。『神の御言葉ガジェット』彼女らの運命は、神が創ったその装置に託された。果たして二人は真実に到達することができるのか。
天才科学者が取った、予想外の方法とは!七瀬まち先生が贈る素敵な恋物語。先生のキャッチコピー『「神の御言葉ガジェット」?バカなの?』にぐっときました。そして、読めばその本当の意味が分かります。
とても丁寧に描かれる魅力的なキャラクター達が登場するため、お話のメインではないサブのキャラもとても素敵でした。お話には当て馬役はいつでも存在しているのですが、このお話の当て馬役になった人もどうか幸せになってほしい、とそう思わずにはいられませんでした。
ガジェットを、天才がつくりました。神の御言葉が聞ける。天才本人の声で言葉なのですけれど。動機が迂遠だし、成功してもはっきりしない。天才が行き過ぎてしまったのでしょうね。珍しいタイプの天才です。