23
茜は電車の中で目を覚ました。
起きたらいつも通りしっかりした茜になってて寂しいです。少し、髪の毛のはね具合とのギャップは可愛いかったのですが。
授業はいつも通り何もなく、放課後、私はわかばちゃんと部室に向かいます。
かなさんとりかさんと考えた部活の方針を発表するのです。
部室に行くと五人とも集まってくれてます。
「部長、提案が有ります」
「良いですよ」
「仲良くなるために海に行きましょう、海に」
私はりりさんを真似て、指を窓の方向に向け、もう片方の手を腰に当てて決めポーズを作ります。
みんな唖然としています。決まりました!
「えーと、先輩、今、冬ですが」
「ち、ち、ち、甘いよ桃ちゃん。日本は冬でも東南アジアは夏なんです」
そう時代はワイルドワイドなのです。
「…東南アジアって季節無いと思う」
わかばちゃんがぼそって言った。
「それは違いますよ。わかば先輩。東南アジアの気候は一口に言っても…」
「うん、うん」
桃ちゃんが何か早口で難しいような簡単なような言葉を延々と喋りだします。茜は何ごともないように笑いながら話しを聞いています。
わかばちゃんは何か恐くなったのか私の服の裾を掴みます。
「茜さん凄いですね」
ひかりちゃんは感心している。
友達の話しを延々と聞いてあげる、流石、私の妹です。
「ごめんなさい」
桃ちゃんは話し終わって一息つくと周りを見渡し、真っ赤になった顔で謝ります。
「大丈夫だよ。みんな優しい人だから」
茜は桃ちゃんの頭に手を当てて撫でる。
桃ちゃんは更に顔を真っ赤にします。
「百合だ」
ひかりちゃんがぼそっと言いいます。
「話しを一旦戻して、東南アジアじゃないけど、実は私と桃で親睦深めるために旅行行こうって言う話をしていました」
流石、茜です。私と以心伝心かな。
「旅行費抑えるために桃の家が別荘を持っている京都に行こうって話をしていたんだけどどうですか?」
「別荘!」
お金持ちのステータスであり、別にマンションの一室だけ持っていても別荘って言いますけど、何か大きな休養地にある家を浮かべてしまう。それが
、別荘。
「…桃ちゃんって金持ちなのですか…」
「別荘と百合」
ひかりちゃんがまたもやぼそって言う。
ひかりちゃんってもしかしてりかさんタイプなんですかね。
海か別荘、迷いどころです。
「…私は京都がいいな…。…正直、アイドルの関係で途中で帰りやすい場所がいい…」
「私も旅行費が安い方が良いし、海外はパスポート取らないといけないし」
えっ、みんな東南アジア興味無いの。
綺麗な海に、安い物価、優しい人達がいるんだよ。
形成は四対一ですから足掻くだけ無駄ですけど。
「じゃあ、私も京都で良いや」
「京都で決まりですね」
やったー。京都旅行です。
京都と言えば寺社巡りですね。
ひなこたんが更に有名になることを祈りましょう。
日付は一週間後に決まった。
旅行いって帰ってきて中日が有ってひなこたんライブである。
珍しく予定が詰まってます。
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