第2話 Alice
まず1人目は…そうだな、Aliceと名付けよう。
彼女は親から必要以上の愛を注がれた、親は過保護で何を言っても許される。なんでも手に入るんだ。
まぁ…、きっと
『なんでもしていい』
そう思うだろうね。
さぁ、君はこの子がどんな生き方すると思う?
___3355年4月11日に彼女は生まれた。
とても大きな泣き声に彼女の母親も涙を流し喜んだ。
母親も父親も長い間奮闘して出来た彼女に沢山愛を注ぐと誓うだろう。
甘やかすことを愛と勘違いした彼女の親。
物を壊す事を覚え、我儘で周りに迷惑をかける子供時代。
「これは壊しちゃダメなんだよ」
そう言われれば
「お母さんもお父さんもいいっていうもん。」
そう答えることを覚えてしまう。
先生は苦く笑いまた破壊行動を続けてしまうだろう。
学校に入れば非行に走り、人をいじめてそのうちいじめた相手の心も壊してしまう。
それが問題となれば親が出てくる、親は彼女が全く非の無いと学校に怒鳴りに行くモンスターペアレント。
こんなに自由に育てば学生時代の挫折なんてものは無いかもしれない。
だが、社会に出た時はどうだろう?
今まで自由にやれていたことが、できなくなってしまう。
「なんでこんな簡単なことが出来ないんですか!」
そう叱られれば
「すいません」
そう答えることしか出来ない。
いままで自由だった分、叱られたことを侮辱だと感じてすぐにその仕事を辞めてしまう。
転々と仕事を転職して、淡々と仕事を辞めていく。
周りのヤツら、いじめてたやつでさえいい職についてそれぞれ家庭を築き人生を謳歌してく。
そんな中何度も挫折を経験すれば、大人であれど部屋にひきこもり…なんてことになるかもしれない。
だって、なんでも許されてしまうのだから。
大人になった彼女も過剰なほど愛してしまうのだから。
あーぁ。可哀想に。
親がいなくなって、彼女を愛してくれる人はいなくなる。
引きこもった部屋で孤独死だ。
あぁ、これはあくまで可能性の話だよ。
もしかしたら彼女はもっといい人生を送れたかもね。
Multiple space×**=I 御薬袋 @Mi_nai0905
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