ゲーム感覚で、サクサク読める!

全体として、スマホでパズルゲームをするように、サクサク読むことができます。ストレスフリーです。盛り上げ役の双子(異世界人)も可愛いです。色々な魔物をサクッと倒して、レベルを上げ素材を集めて、新しい魔法を覚えたり、武器を手に入れたりします。主人公は、途中から錬金術が使えるようになるので、生産要素も少しだけあります。

ただ逆に言えば、味や歯ごたえといったものは殆どありません。物語の導入部、現地人の主人公が迷宮に向かうまでのお話では、味のあるキャラクターもいたのですが・・・。また、“厄災”や“虫籠”といったタイトルから、命の価値が軽い、それこそ極限状態のサバイバルなのかなと思いましたが、そんなことは全然ありませんでした。現地人が窮地に立たされる設定もあるのですが、主人公が意に介していないので、切迫感はまるでありません。

それに加えて、主人公は割と早い段階で、ある強力な武器を得ます(初期は銃装備)。強力すぎてパワーバランスが崩れ、途中から戦略もなにもあったものではない戦闘になります。

これらのことから、個性豊かな人間模様を見たい方、戦闘シーンをじっくり楽しみたい方、物語にある程度の重厚さを求める方には、この作品は合わないのではないかと思います。