最終回 虐待

 子供が五才になった。


 あるとき、子供が茶碗を割ってしまった。


 それは、彼女が使っていた形見みたいなものだったので、ついカッとなって殴ってしまった。


 すぐに我にかえり、子供に謝った。


 罪悪感が執拗に体をうずいた。あのときの嫌いだった親に自分もなろうとしていたからだ。


 でも、またいつ子供に暴力を振るうか分からない。自分でも止められない。


 親はどんな気持ちだったのだろう。今となっては分からない。


 今の俺には子供を、たった一人の娘を、大切に……育てなくてはいけない。


 俺は子供を抱きしめた。もう大丈夫だと。ごめんねと。



 §



 虐待は絶対に起こしてはいけない。でも、イライラして、殴ってしまった。叩いてしまった。そんなときは周りに相談してください。子どもは暴力によって心を苦しめています。施設になんか入りたくもない。お母さんやお父さんと一緒にいたいと、考えて生活している子が沢山います。

 なので、これからの大切な子供や、親御さんの為にこの作品を送ります。

 

 

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僕は見送った…… ケルベロス @motokionishi

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