あの暑い夏か、澄んだ冬の早朝に読みたい一編。

風景、描写、言葉選び、極め付けは何と言っても宝石だろうか。

この作品の第一印象は、安直ではあるが『綺麗だな』である。
綺麗、と一言言うのにも様々あると私は思うが、今回のそれは花のような可憐さではなく、ガラスのような美しさだ。今作品には、所々に様々な『綺麗』が散りばめられている。宝石はその確たるものだった。
「自分はその類に詳しくない」と言う方も、一読してみてほしい。作者の描写により、ある程度は頭の中にイメージが湧いてくるので、読んでいてあまり困らないはずだ。

短編となっているため、ふと空いた時間にでも読んで欲しいと思う。

一つおこがましいことを発言させていただけるのなら、難しい固有名詞にはルビを振っていただけるとありがたい。あまり馴染みのない名称は、(私の語彙不足なのかもしれないが)読むことができなかった。申し訳ない。

長文の読了、深く感謝申し上げたいと思う。