せのび
このような格好をするのは
人生で一度きりかもしれません
白の背景に映える姿
まるで自分ではないようで
少し帯は苦しいけれど
つんと澄ましてみせた僕を
何度もフラッシュが照らします
今日ばかりは上品を装って
しとやかに足をすすめましょう
今日から大人に なんて
そうなれたらいいのだけれど
僕らの心はきっと まだまだ子どもで
下駄で歩くちいさな歩幅ほども
前に進めているのか
僕が思い描いていた大人には
まだなれていないように思います
それ故に 不安なのです
なにが変わっていくのだろう
子どもでいたい気持ち
大人にならなくてはという焦燥
こんなことを考えているのが
大人への第一歩でしょうか
私にはまだわかりません
旧友との再会
華やかな笑みが そこここで
ぴんとはりつめた冬の空気
透きとおった青い空と 白い太陽
大人ぶるところからはじめましょう
次第に追いつくのでしょう
知らぬ間に変わっていくのでしょう
抗うことは しません
少し気取って 今の生活を語ってみます
実は たいした変化もないのです
何気ない会話の途中 感謝してみます
お父さん お母さん ありがとう
本当は照れくさいということも もう隠せるのです
僕らはこうして 大人になっていくのです
(2011.1)
いまを生きる僕へ 冬原桜 @fuyuharasakura
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。いまを生きる僕への最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます