少ない文章の中に凝縮された恐怖があります。無駄が無いけれど要所は押さえているため、想像力をかきたてられます。作者さんの「空いた隙間にすぐ読める。空いた隙間に気付かれる」という紹介文は絶妙です。これからも楽しみにしていますね。
本文はとても短く、また構成も簡単だ。だが簡単ですぐに読めるからこそ、オチのインパクトに持っていかれることが多い。寝る前に1話、電車の中で1話と、どこでも読める気軽さも本作の素晴らしい点だ。まずは五分、いや、たった一息でいい。それだけであなたの背筋もぞっと……
題名通り、多種多様なテーマを基に描かれた幾多ものホラー作品が、まるで美術館に展示された絵画のように並ぶ短編集。日常からほんの少しだけ世界を狂わせただけで、あっという間に常識は消え、残るのはずっと心に残る恐ろしい思いだけ…皆様も是非、物語の中で身も心も震え上がってみませんか?