ひまわりの花言葉

勝利だギューちゃん

第1話

俺は、小学校の入学直前に、親の都合で引っ越しをした。

住んでいた町には、児童公園があり、暗くなるまで友達と遊んだ。


母が、「晩御飯よ」と、迎えに来るまで、気付かない事も珍しくなかった。

今では、滅多に見られない光景だが・・・


最近の子供たちは、外でまで、携帯ゲームで遊んでいるようだ。

嘆かわしい・・・

って、年寄りだな・・


そして、10年後。

高校生になった俺は、この町へ帰ってきた。

引っ越しではない。


小旅行だ。


これから、受験で忙しくなる。

その前に、懐かしいこの町を見ておこうと思った。


駅へ下りったった。

懐かしい街を歩く。

ところどころは開発されているが、基本は変わっていない。


そして、あの懐かしい公園についた。

「まだ、残ってたんだね」

ホッとしたと同時に、悲しくなった。


公園内には、誰もいなかった。

子供も、大人も、お年寄りも・・・


さすがに、気になった。


「すいません」

俺は、たまたま通りかかった人に声をかけた。

「何ですか?」

「この公園ですが・・・」

その人は、不思議そうな顔しつつも、こちらの事情がわかってくれたのか、

丁寧に教えてくれた。


「この公園、来月取り壊されるんで、立ち入り禁止になっているんです」

「取り壊す?どうしてですか?」

「遊ぶ人はいなくなりましたし、ショッピングセンターが建つんです」

「反対はなかったんですか?」

その人は、しばらく考えて、頷いた。


それ以上は、聞けなかった。

時代の流れとはいえ、悲しくなった。


「そういや、みんな元気かな」

ふと、幼稚園の頃に遊んでいた子たちを、思い出した。


もう、顔も名前も忘れてしまっている。

ここにいるとも限らない。


「ここまで来たんだ。せめて幼稚園まで行ってみよう」

俺は、幼稚園まで足を運んだ。


季節は夏。


幼稚園の校舎は変わっていたが、校庭のひまわりは変わらず咲いていた。

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ひまわりの花言葉 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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