非正規雇用のアラサー女子のコハル。いつもダメ男にハマり、金にも結婚にも縁がない彼女の新しい恋人のヒロトは「億り人」(資産が億超えの人)の個人投資家。コハルは彼から資産運用を学び、自分の人生の再建に乗り出す。親も教師も教えてくれない資産運用のノウハウの数々がためになり、お金に対する価値観が変わりました。
ニュース番組も新聞も読まず経済知識ゼロのコハル。無職で趣味がAV鑑賞のヒロト。社会人としてはダメダメな二人だが、お金の話には真剣だ。
証券口座の開き方、株主優待のメリット、投資信託の始め方、分散投資の大切さ、日経チャートの読み方などなど基礎から投資を学べて、その一方で銀行の金利や手数料、クレジットカードのリボ払いが、どんなにムダな浪費なのかを気づかせてくれる。
実は知らないうちに私たちは毎日なにかしらの損をしているのだ。いかに自分がお金について無知だったかを思い知らされる。お金が無い無いばかり言っているコハルを笑えない。お財布の一円、十円が急に重く感じてきます。
投資は金儲けじゃない。自分の大切なお金を信用できる企業に預ける真摯な行為だ。決してギャンブルや金持ちの道楽ではない。「投資家は卑しい職業だ」。そんな意見を持っている人にこそ読んで欲しい。
(「一攫千金」4選/文=愛咲優詩)
書籍で一発当てようと考えるとっちゃん坊やにこそお勧めである。
金を稼ぐのがいかに大変か。元来、日本の金融教育はおざなりにされてきたと言わざるを得ない。
そもそもお金は汚いものという刷り込みが強い。私もお金を触ったら手を洗いなさいと言われた世代である。
学ばなければ資本家に搾取されるだけというのは薄々分かってきたが、まだまだ徹底されているとは言えない。
ハイデガーは覆い隠されていた死を見つめてこそ、実存たり得ると説いた。
真の学びとは危機意識に根ざしたものなのだ。
ここまで書いたら闇金ウ⚪️ジマ君みたいな内容を期待されるかもしれないが、ラブコメ要素もないことはない。いや、あると信じたい。願望を祈念してここに終わる。