プロローグ: 海道 瞬
前書き
毎週土曜日の12時投稿です!
本文
あの時 、僕が見たのは芸術そのものだった。
四角いリングの上で睨み合う両者。
緊迫した空気が約2000人の観客が黙り込んでいる。それはマジかに見ている俺もまた然り。
リング上の挑戦者中田英夫、王者加藤龍。ラウンドは5、中田はすでに跡がなく加藤は仕留めるだけの状況だった。
緊迫した空気を破るように中田が加藤に飛びつく。
中田の右ストレート。
加藤は中田の右ストレートに合わせるように左をか被せる。
クロスカウンター。
グシャン!!
鈍い音を立てながら加藤のクロスカウンターが中田の顔面に入る。
中田は糸を切られた人形のように崩れ落ち、その瞬間を約2000人の観客の感情が爆発した。
ワァアアアア!!
僕もあのクロスカウンターに心踊り憧れた目の前の芸術的な光景に見惚れた。
数年後
俺はあの時よりも大きくなり中学1年生となった。俺は親とある約束ををクリアする条件でボクシングをやる事の許可を得た、その条件は。
一つ、プロ試験を一発合格。
二つ、デビュー戦を一度もパンチを貰わず勝つ事。
三つ、新人王獲得
そして最後に四つ、OPBF東洋太平洋チャンピオンになるまで負けは一つも許されない。
この四つの条件を満たして初めて認められる。厳しい条件に見えるがその挑戦中は家族が全面的にサポートしてくれる。
「行ってきます!」
そして今日が初めてジムに行く日だ。
「「いってらっしゃい!」」
母の海道まき、と妹の海道みさ奇が見送ってくれる。
「早くこい」
父の海道真が俺を急かしてくる。
「今いくよ」
俺は急いで車に乗り込みジムへ移動する。
向かっているジムは土屋ジム。父の知り合いがやっているらしく指導者がとても優れているらしい。
「着いたぞ」
大好きな歌手ライムスターを聴いていたら着いたらしい。
「こんにちはー!! 海道かいどう 瞬せつなって言います、今日からお願いします!!」
ドアを開けてジム全体にあいさつをした、が、俺の目の前に広がった光景は……
後書き
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刹那〜瞬間を制す〜 @aozorakai0111
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