リア銃?
狛犬
第1話 変わりたい、、変われる、、
四月。
堤防の川桜が人々の感情を優しく浮き上がらせる時期、
別れ、出会い、期待、不安。
隣の住人が引っ越ししてしまう事ですら少しセンチメンタルに感じてしまうkであった。
kは24歳。身長が高い訳でもなく、痩せ型な訳でもない。(普通)を形にしたらこんな形になるのかな?と言うような青年でもなく、男性と言うには頼りない男だ。
仕事は現場作業員、小さな街の小さな会社でエアコンの工事をしていた。
月収は手取りで26万位、決して良くも無いが、高卒のkにとっては悪くない。
毎月の家賃6万円、水道光熱費、携帯料金2万5千円を引いて17万5千円は自由に使えた。
朝から夕方まで働き空いた時間でパチンコや競馬をして金を溶かす。
たまにネットで知り合った女と恋愛ごっこをしてみたりしている。
どこにでもいてあたりまえのように生きていた。
たまに綺麗な夕焼けを見て「俺はこのままで良いのだろうか」
なんて考えることもあった。 これまた普通である。
ある月の事だ。kが務める会社は繁忙期の為日曜も休みがない程仕事が詰まっていた。
kは仕事は真面目にこなす方だったのでその月の給料は手取り32万もあった。
一か月振りの休み!
kは4万円を握りしめ近所のパチンコ屋さんへ向かった。
すると神さまからのご褒美のように出る!出る!
kの足元には2万発の銀玉が箱に積まれていたのだった。
換金すると8万もある。投資金は5千円。
7万5千円の利益だ。
kはにやけ顔で店を出た。 しかし換金所で万札を手にしてなにに使うか迷っていた。
ふと現場で30~40位のおじさんたちの雑談を思い出す。
「昨日よー、久しぶりにいい女抱いたぜ、堀之内にいい店あんだよ、ちょい高目だけど、やっぱいい女は金がかかるなー」
kはスマホで堀之内を検索し始めた。
堀之内とは川崎市にあるソープ街の事である。
このパチンコからソープというありきたりな流れがkの人生を大きく変えるとは、k自身想像もしていなかったのであった。
リア銃? 狛犬 @komainu0982
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