月代(つきしろ) 現代恋愛論

@jazzthebottom

第1話 誰も傷をつけない方法論

彼は既婚でありながらいつも子供のような自由人だ。

私は本当の家庭の事は知らない。それでも彼で充分だと思っていた。

あの日を境に私は1つのことに至った。彼は恋愛をし続けないと死んでしまうのだ。まるで酸素不足の金魚のように息が出来なくなり暴れだす。だから私は彼について彼には干渉をしなくなった。少なくとも心の何処かには死んでしまえと思っていたのかもしれない。いっそ罰に当たればと思わなかったと言えば可愛いのかもしれないがそんなに心は広くは無かった。

私は私自身が弱すぎたのかもしれない。前もそうだった。自立して生活していたつもりで心の何処かで彼に頼りきっていた。彼が居ないといつしか成立しなくなってしまった頃、彼は私の下を知らず消えていた。音信不通、音沙汰もなく、私の生活はいちねん

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