センベツノヤシキ

@kamaboko7

第1話「残酷で不幸な運命」

 また憂鬱な1日が始まる


 私の名前は金子真理。

 どこにでもいるような中学二年生


 と言っても私は学校に行けば皆からいじめられる対象となる


 どうしてなんだろう···


 確かに昔から口数も少ないしあまり積極的な性格でもなく一人でいることが多かったけれど···


 何度も泣いたし何度も自分の首を絞めようとしたし何度も苦しんだ


 でも今私がこうして生きているのはすぐ横でまだ寝ている飼い猫、レンゲのおかげでした


 私が中学に入学してしばらくの日、父と母がピクニックに行こうと言い出したのだった


 普段そんなことを言わない人だったのである意味そこから奇跡が起こってたのかもしれない


 まぁともかくピクニックに出かけたわけですよ


 久しぶりに家族揃ってのお出かけだったこともありとっても楽しかったことは覚えてる


 そして帰り道の険しい林道で猫の鳴き声が聞こえると共にひとつの段ボールがあったの


 なんとなく予想はついてたけど案の定可愛らしい子猫が無惨にも震えながら横たわっていた


 見捨てることなんてもちろんできずにすぐさま家に帰って体をタオルで拭いて水をあげた


 まぁそれからいろいろとあり今ではこんなに立派になった


 レンゲがいなかったら今頃引きこもってるかこの世にはもういなくなってたかも知れない···


 ふわぁぁ····

 まだ眠たいなぁ···


 仕方がない。さっさと準備しようかな


 ~数分後~


 えーと···よし!

 準備はこれでいいかな?


 私は足早に一階にかけ降りようとした


 どうしてだったんだろう

 毎日通る階段

 普通なら踏み外すなんて滅多にないだろう


 「え?」


 私の体と頭は勢いよく床に叩きつけられた


 なんて残酷で不幸な人生だったのだろう

 何かを成し遂げるどころか生まれてきた意味すら見つけられないまま散るなんて···

 でも···だからこそ···今こうして人生が消え去ろうとしていても怖くないのだろう

 いや、レンゲを残して消えちゃうのはちょっぴり怖いかな···

 私って本当にレンゲしかなかったんだよね

 こんなにも意識が朦朧としていてもレンゲのことだけは消えないもんね····

 あ、もうダメだ······持た·····な··い


 そこで私の意識は残酷で不幸な人生と共に消え去った···









 「む?また一人送られてきたか?····なんて哀れな子なんだ···この子はしっかりと救済を得るべきだな」

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