青い双葉
迷いなく動くシャーペン、きれいな指先、口許までいって、光の速さでノートへと視線を戻す。もう一度おなじように──…なんて無理だった。二重でぱっちりした
耐えきれずに、あちらこちらと目がいってしまう。見たいのに、はずかしい。
──ふふっ。
なんて含み笑いが、炭酸みたいにシュワッと消えた。同い年なのに、バカにされたよな? そこそこ人が居る図書館。本をさがしに足音が聴こえる、ページをめくる音、パタンと閉じる。時計がゆっくりと
パタン。宿題が終わったらしく、トントンと鞄へ入れ始めた。
『家じゃ終わらないし、駅前の図書館で宿題しようかな』
『じゃあっ……俺も!』
相手の一人言を追っかけて、偶然を作り出して、チャンスがあれば。
「そろそろ帰らないと。親うるさいし」
いつでも最後は、ペンケースが残っている。出すわけでもなく、ペンがぶつかり合う。今が、チャンス? ずっと思っていた言葉を。ちゃんと言えてるかも、分からないけどっ……
驚いてた。そして、笑った。
「だいぶ待ったかも」
「基本的にツンツンしてるし、もしかしたら鬱陶しいのかもって」
「やだ、言い訳」
友達以上恋人未満だとか。大人の恋だとか。青春だとか。そんなの知らない。これが、僕らの距離。
何だか物足りない日に、 糸花てと @te4-3
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます