勇者の本性その2

。。。。

。。



「国王様、勇者様がダンジョンからお戻りになられました。」


「うむ。通せ。」



「ただいま戻りました。国王様。」


「おぉ!勇者殿。少し逞しくなられましたかな?」



その後国王は勇者にダンジョンでの話などを聞いた。


「お食事のご用意ができました。」




「さぁ。国王様遠慮なさらずに。」


「おぉ!すまないな勇者殿。」


「いえいえ。お気になさらずに。」




勇者は国王のグラスにお酒を注いだ。

国王は勇者の前だとやけに上機嫌だった。

それからしばらくして、イグニス国王は亡くなった。


。。。。

。。




「ここからは俺が話そう。国王様が亡くなって普通なら王族である王女様が跡を継ぐはずなんだが、何故か勇者が跡を継いだのだ。」


「ん?どういう事だ?」


。。。。

。。






王女と騎士団長は悲しみに暮れていた。


「……うっ……ぐすっ……お父様……。」


「国王様……。」



そして、王女がやっと立ち直った矢先


「これはどういう事です!」


「これはこれは王女様。お元気になられて何よりです。見ての通りですよ。皆次の国王は勇者様が相応しいと考えたのです。」


「な!?」


「次の国王は王族である王女様が就くべき出はないのですか!」



「ふん。たかだか騎士団長風情がこの私に意見を申すか!」


「そうですよ。それに我々騎士団も能力の無い王女様より、勇者様の方がこの国を治めるには相応しいと考えたんですよ。」


「な、なんだと………王女様に向かってなんという」



「やめろ。騒がしい。」


「はっ!申し訳ございません。勇者様……いえ、国王様。」



勇者の一声でこの場にいる王女と騎士団長以外のものは皆平伏した。

王女は訳が分からずにいた。が、ガレオスはこの状況を理解していた。


「国王様。本日は新国王の誕生日式典がございます。準備の方は整っております。」


「!?待ってください!私はまだ……それにこんな急に……」


勇者は王女のもとに近づいていき耳元で囁いてから


「そうか。僕も準備を済ませよう。後は……まぁ準備出来たら声かけるよ。」


「「「はっ!!」」」



そして勇者はこの場を後にした。


。。。。

。。



「勇者は貴族達や王宮魔術師達、騎士団員達も洗脳していたのだ。俺も洗脳されかけたが魔法耐性があったお陰か何とか無事だった。」


「なるほどな。それで?ここにいる奴らは大丈夫なのか?」


「あぁ。ここにいる奴らは皆見習いだったからな。勇者に接触したものは誰1人としていない。」


「そうか。」


なるほどな。王女の護衛にしては素人同然だと思ったがそういう事だったか。

にしても何故勇者は王族である王女を殺さなかったんだ?


「……それにしても王女、良く生きてるな。」


「き、貴様そんな言い方ないだろう!」


「あ?何勘違いしてるんだ?何故勇者に殺されずに済んだか聞いてるだけだぞ。」


「……多分私の身体が目当てだったからでしょうね……ぐすっ………勇者に言われましたから。"キミは僕が見てきた中で1番いい女だ。洗脳して人形にするのは勿体ない……と。」


なるほどな。まぁ確かにいい身体して


『マスタ~!!!』


いや、すまん。


「それに、父様も洗脳していたみたいです……。洗脳されていたせいで毒にも気づかなかったのだと思います……。やけに勇者の前だと上機嫌だなとは思っていましたが……。」


「それでアグニス王国に行ってどうするんだ?」


「まず、イグニスで起こった事を全て話して、勇者を倒すための協力をお願いしようと思います。」


「そうか。協力されなかったら……まぁそこはいいか。そうすると魔王はどうするんだ?」


「それは……」


王女がこっちを見てきた。


「おい、俺はやらないからな。魔王が俺に何してきたわけでもないし。勿論勇者の事も何もしない。」


「………分かってますよ。魔王の事はまた勇者を召喚するしかないですね。それより今は勇者の事が大事です。」


「そうか。」


『いざとなったらマスターがどうにかしますよね。』


さぁ?どうだろうな。

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異世界召喚〜どん底からチート〜 @mangaka1013

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