アビスより生まれ出づるモノ

 ン シャ

ア ビ  ス


誰かの死体と出会う度 私は呪いを受け取ろう

「死になさい、もう死になさい。あなたも虚ろになりなさい」


呪いは心に根を張って いつしか私も空になる

夢の水さえ涸れ果てて 渇いた現の砂利を踏む


全て失くした私は 最後の雫をこぼし

誰かの為に祈るよ 紅く色づく想いを……



誰かの死体と出会う度 僕は祝福を授かろう

「生きなさい、まだ生きなさい。私を超えてこの先へ」


瑞々しいその祝福を 血肉と変えた僕の道

独りきりでも温かい 消えゆく想いが炎色


歩き続けている僕は 振り向くこともないまま

高鳴る鼓動を抱えて 未知のセカイへ向かうよ


呪いと祝福を束ねて紡いで一つに

全てを受け止めてそれでも憧れ涸れない

定めた輪郭は歪でも僕を定義する

だからまだ進める倒れない僕の野望

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