第7話約束?

自室に戻ってから本を読んで時間を潰して早一時間経った頃ある事を思い出した。


(そういや、朝ご飯たべるのを忘れてた……)

現在の時間を確認する為に携帯の電源を付けると八時丁度だった。


(この時間ならまだ、食堂が空いているな)


そう思いながら瑛太は、着替えの準備をした。一応学校である体操服のジャージを脱ぎ制服に着替る。制服は当然男物で、まずは白のワイシャツを着て、その後黒のズボンを履き、ネクタイを締め紺色のブレザーを羽織る。そこで食堂に向かうべくドアを開けた時すぐそばで待っている人物がいた。


 「よぉ、瑛太俺との用事をすっぽかしてどこに行くんだ?」

指をパキパキ鳴らしながら聞いてくる。


 「いや、俺はちゃんと行ったぞ?だが、広すぎてどこにいるのか分からなかったんだ。」


「入口に待っていたのに気付かないなんて、お前すごいなー」


あ、入口で待ってたのか……。ミスったな〜。


そこまで考えていた時突如、俺の方から腹の音が聞こえた。


 「まぁ、そんなことより飯だ!飯!」

やや頰を引きつりながら言う。


 「ま、これで来てくれたら三年も苦労してないからなー。あ、俺も朝まだだし一緒に行くか!」

ため息混じりにそう言うが誠治もよっぽど腹減っているのかほとんど気にしてない様に笑いかけてくる。


 この男子寮は最初は四階建てだったが、宝石に選ばれる子どもよりも選ばれない子どもの方が多くなり、現在の男子の数が魔法使い含め約百人、女子の数は、約百人で、寮が大幅に変わり七階×十五部屋となり、それに基づき、個人の部屋がワンルーム並広さになり、トイレ、洗面台は一度部屋から出て各階にあるものを使用しなければならない。


 誠治と一緒に向かっている食堂とは、学校にある食堂のことで片道五分ぐらいでついた。

 朝ご飯は、ご飯にみそ汁、魚日本の文化である和食料理だった。そこで、食べながら誠治は俺に聞いてくる。


 「なぁ、瑛太ってさぁ〜なんで、訓練場に来ないの?」


 「秘密の特訓をしてるんだよ。俺は」

魚の身を綺麗に取りながら俺はそう言った。


 「じゃあ、俺が知ってしまったからそれは、もう秘密とは言わないな」

確かにその通りだ。だが、話したのには理由がある。


 「いいんだよ。別に。もう終わったんだから」

そう言いながら魚とご飯を交互に食べながらみそ汁を飲む。


 「じゃあ、今日から訓練場に来るのか?」

一度食べるのを辞め、目をキラキラささながら誠治は俺に向かってそう言ってくる。


 「ああ、今日から行こうかなと思ってる」

言い終えると、同時に食べ終えて手を合わせて「ごちそうさま」と言った。


 「じゃあ、さっきは何で来なかったんだ?」

 疑問に思ったのか手を組みながら、分かりやすく表情に出ている。


 「読みかけの本を読み終わらせたかったからかな」

そう言うと、席を立ち食器をカウンターの方に持って行った。


 (俺の約束は、本以下なのか……)

誠治は苦笑しながら瑛太の後を追うのだった。


 訓練場は、学校の地下にある。行く為には、地下エレベーターを利用しなければならない。そして下に下がっていき、上の光っている数字には−十で、止まり扉が開いた。


 そこには、青く光る空間が広がっていた……。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魔法聖戦[マナギウス] 海鷂魚 @managius

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ