第6話白髪の男
こうして第一回
「はい、今日ははここでおしまい」
と、真っ白の髪が肩にまで届いている20代の男がそう言いながらたくさんの子ども達がある広い部屋を出ようとする。
だが、そこで手を挙げ、男が部屋を出ようとするのを遮る黒髪の少年がいた。
「ねぇ、師匠!」
「なんだい?瑛太」
「俺も師匠みたいな魔法使いになれるかな!?」
そう、目を輝かせながら言ってくる。
「魔法使いになる為には、まず宝石に選ばれないといけないですよ?」
「大丈夫だよ!師匠と同じ魔法が選ばれるように祈ってるから!」
手を合わせてお願いします、神様〜と言っていると、他の子どもたちも真似して手を合わせて祈っている。
そして
――――――――――――――――――――――――
カチ、カチと時計の針が動き短針が七時丁度になった時、ジリリリリリリリ!と轟音が鳴り響いた。急いで音の発生源である目覚まし時計を止めようと手を出し真ん中に付いているボタンを押し轟音を止め、起き上がる。
(懐かしい夢を見たな……)
瑛太は体を伸ばしながらそう考えていた。
(あれから三年も経ったんだな)
時間の流れって早いと感じながら自室を出て洗面台に向かった。
洗面台に向かうと先客がいたのか顔を洗っている男がいた。どうやら、向こうも鏡越しに俺のことに気付いたらしく、
「おはよう瑛太!今日もいい天気だな!」
「ああ、おはよう誠治。朝っぱらから元気だな」
やや、怠そうにそう返事した男は
元気よく挨拶してきたこの男は
「最近、ランキング表見たけどまた順位が下がってたぞ〜?」
誠治は、濡れている顔をタオルで拭きながらそう言ってきた。
ここでいうランキングとは、魔法使い現在
だが、それがどうした?と言わんばかりに対して動じる事もなく俺は、隣の洗面台を使う。
「へぇー、そうか。ちなみに何位だった?」
そう尋ねた後顔を洗った。
「確かな〜八十九位だった気がする。」
そう言いながら、誠治は俺に向かってタオルを投げた。
「ちなみに俺は、七位だぜ〜」
俺の方向きながらドヤ顔してきた。
それに対し俺は、
「はいはい、すごいすごい」
と、適当にそう返事する。
「というか、瑛太は本気出せよ!俺のライバルなんだからさ〜。瑛太は本気出せば十位以内は余裕だろ?」
「三年前の話だろ?今じゃ分からないぞ」
誠治からライバル発言されたのは三年前、宝石に選ばれた俺は、孤児院を出てこの学校に入った。その時に師匠のようになりたいと思っていた俺は髪を白に染め、伸ばし続けた。
そして、学校の地下にある訓練場である仮想空間の中に入り、真っ先に絡まれたのが誠治である。そして、ボコボコにした結果、勝手にライバル扱いをされるようになった。
「じゃあ、今日決着を付ける!訓練場で待ってる!」
そう言いながら、学校に向かって走って行った。
(全く、騒がしい奴だな……)
と思いながら自室に戻った。
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