あらゆる場所に突然現れ、トドメを刺しては消えてゆく謎の少女、ミカン。
1話目で「なるほどこういう感じなのね」と作品の雰囲気を味わいます。
そして2話目以降から読者に突然襲い掛かる「どうなっちゃうのこれ!?」。それは最終話直前まで続きます。
私は読みながら、この作品にオチが付かないのではないかと震えました。白状すると、作者の神経を疑いました。これでオチが付かなかったら応援コメントを取り消そうとすら考えました。しかし私の応援コメントは消えていません。のみならず、こうしてレビューを書いている……。
それくらいに想像不可能なオチでした。
私はオチが付いた瞬間、あまりの感動に心の中で叫びながら震えました。白状すると、作者の神経を疑いました。「この作品最後まで読まれなかったらどうする気だよ!」と。しかし各話ごとに最後まで見ろという応援コメントを残すわけにはいきません。ですから作者の代わりに言います。最後まで読んでください……。
それくらいに想像不可能なオチでした。
「さて、この調子でもうちょっとレビューを書くかな。いや、でもこの辺でやめておいてもいいか。長いし。うん……いやもうちょっと書いても——」
——ザクッ!!
「トドメ、刺しちゃった~☆」
よもや最終決戦かとも思える強大な敵との戦い。
そんな場面から物語は始まる。
逆境? 努力? 根性?
少年漫画のような白熱のバトルシーン、その最後に現れ全てをひっくり返す。
それが、トドメ刺しのミカン!!
さて、6本のショートストーリーからなるトドメ刺しのミカンの活躍(?)が描かれた本作。ポップなテンポとシュールなオチが笑いを誘う、そんな素敵な作品です。
ファンタジー世界、雀荘、学校の屋上etc、様々な場所に現れる我らがミカンちゃん。
そのどれもが、何か何処かで見たことのあるようなシーン。
それら全てを粉々にぶち壊す!?
これは所謂テンプレと呼ばれるものへの皮肉なのか? いいえ、これは多分テンプレ物語への讃歌なのです。
それぞれの場面を思い浮かべ、にやにやしながら楽しんで下さい!